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「TOKYO GX ACTION」とは?
東京都は、2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、化石燃料からクリーンエネルギー中心の社会へと転換するGX(グリーントランスフォーメーション)の取組を加速させていくと発表。
都民一人一人がGXを理解し行動を変えていくことを目指し、年間を通じて最新のGX技術などを広く発信していく「TOKYO GX ACTION」のキックオフイベント「TOKYO GXACTION BEGINNING~知るから始まる脱炭素~」が10月13日(日)、14日(月)に東京国際フォーラムにて開催されました!
カーボンハーフとは?
2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)するという目標のこと。
カーボンニュートラルとは?
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体としてゼロにすること。政府は2050年までの達成を目標に掲げています。
GX・気候変動対策は、我慢ではなく一つの選択肢になり得る
化石燃料を使わない、モーターのみを動力源としたフォーミュラカー(Formula E)の展示ほか、モビリティ、暮らし、フード、エネルギーなど最新のGX技術の展示・紹介、体験ができるコーナーも。
GX・気候変動対策を、我慢ではなく、脱炭素につながる新しい選択肢として取り入れたくなるものにするため、ストーリ仕立てで、「雑誌 / MAGAZINE」をテーマに世界観を構成がされて、子どもでも分かりやすい展示になっています。
CO2排出量が2番目に多い自動車。脱酸素へ見直したいのは「移動手段と車選び」
電気自動車のフォーミュラカー
「モビリティ」での一番の目玉は、日産自動車株式会社(日産)によるフォーミュラE 「Nissan Formula E Gen2 car, Season 8 (2021/22)」の車体展示。こちらは、ゼロエミッション(排気ゼロ)のため市街地でのレース開催が可能。
日産は、モーターのみを動力源としたフォーミュラカーによって争われるFIA国際自動車連盟の世界選手権「フォーミュラE」へ国内で唯一コンストラクター、チームで参戦しています。
電気自動車の仕組みが学べるミニカー作り
「日産自動車株式会社」が主催する「日産わくわくエコスクール」でミニカー作りも体験しました。ペットボトルのキャップをアップサイクルして作られたモデルカーを使って、電気自動車の仕組みを学びます。
リサイクルされた素材を使うことで、地球温暖化や海洋プラスチック問題、循環型社会についてなど、広く学ぶことができました。
将来を担う子ども達に地球環境問題と自動車産業の環境技術の取り組みを伝えることで、環境意識を高め理科離れを改善する一助としてで実施しているとのことです。
サーキットで実際に車を走らせることができたりと、親子で楽しみながらエコなエネルギーを学べる講座でした。
脱炭素につながる食べ物はおいしい?注目食材3つを食べてみた
次は、食を通じて脱炭素の取り組みを学びます。「FOOD」の展示コーナーでは、「育てる・選ぶ・食べる」の3つのフェーズで食の未来を大解剖。その中でも「植物性世界三大珍味」、「代替肉」、「養殖サーモン」を試食してきました!
植物性の世界三大珍味「フォアグラ・キャビア・トリュフ」
Dr. Foodsは、カシューナッツを二度発酵させる世界初の技術で作ったヴィーガンフォアグラ、海藻の抽出物を使用し、油脂を内包させたヴィーガンキャビア、イタリア・トスカーナ産の香り豊かな黒トリュフを植物由来のバターに練り込んだヴィーガントリュフバターとプラントベースの世界界三大珍味を完成させました。
特に 強制給餌を行う生産方法から、持続可能性に大きな問題を抱えていた食材「フォアグラ」を動物に負荷を与えない「植物性」で再現した「植物性培養フォアグラ」は世界初とのこと。
お味は……、おいしい!どれも濃厚で本格的な味わい!
持続可能な食材であり、なおかつ味も良いとなれば、むしろこちらを選びたくなります。今回が日本で初のお披露目ということで、まだ日本での一般的な販売は未定とのことですが、今後の日本での展開が楽しみです。
大豆など植物由来の原料で作った「代替肉の焼肉」
こちらは、ネクストミーツ株式会社の代替肉BBQ。大豆などの植物由来の原料で作ったスライス肉は焼肉にピッタリ。ほかにも、 スライスタイプの代替肉を取り入れた100%プラントベースの和惣菜やバーガーパティ、牛丼タイプの細切れ肉などのラインナップがあるそうです。
大豆特有の臭みがなく、食感もしっかりしていて、言われなければ全く分からないほど!代替肉だと分かって食べていても、ちゃんとお肉を食べている食感がします。
基本的にはネット販売が中心とのこと。スーパーなどで一般的にも買いやすくなると良いと感じました。
環境への負荷が少ない「養殖サーモン」
サーモンは、牛や豚などに比べ養殖時の温室効果ガス排出量が少なく、効率的な生育を実現できることから、サステナブルな食料と考えられています。AIで効率的な餌やりの仕方を分析するなどして、Mowi社は「世界で最もサステナブルな養殖・畜産企業」として「FAIRR」より認定されました。
サーモンは日本でもお馴染みの食材なので、環境問題への負荷を日本人が意識することで、持続可能な食に貢献することができると感じました。
日常使いできるサスティナブルな暮らしの注目アイテム
最後は、日本のCO2排出量の15%を占める家庭の生活に注目し、脱炭素のために個人ができることを探っていく「暮らし」のコーナーへ。
CO2を吸収し続けてくれる木製家具
東京ガスコミュニケーションズ株式会社の「カーボンストックファーニチャー」は、都市が排出するCO2を吸収した近隣にある森林の木材で作った家具。オフィスや公共空間など、さまざまな空間に導入することで森林資源の循環利用を促すと同時に、大気中のCO2削減にも貢献します。まさに、脱炭素の切り札になるような家具ですね!
こちらはたくさんの木を使った椅子(写真上)。座ってみると、大都市にいながらも森林にいるような気分になります。デザインもおしゃれですよね。
こういった家具が公共スペースや学校などにも導入されたら素敵だと感じました。
消防ホースを活用したバッグ
UPCYCLE LABは「廃棄消防ホース・廃棄シートベルト」をメイン素材にアップサイクルしたバッグブランドを展開。捨てられるはずの廃材が、アイデアとデザインの力で付加価値のある商品に生まれ変わります。
なんと、ビルや公共施設などに備え付けられた消防ホースの9割は作られたまま一度も使われることなく新品同然のまま廃棄されているのだそう……。そんなロス素材(未使用の端材)を洗浄・乾燥させた上で縫製工場へ。熟練の職人が手作業で裁断・縫製し1つ1つ丁寧にバッグへと蘇らせているそうです。
元がホースだったとは想像がつかないお洒落なデザイン、かつ、布よりも優れた耐水性や耐久性を備えています。買い替えの時には、環境に配慮したアイテムを積極的に選んでいくというのも良いですね。
来年5月にはGXのビッグイベントを開催予定
東京都発の「TOKYO GX ACTION」は、まだまだ、始まったばかり。これから、年間を通じて最新のGX技術などを広く発信していく「TOKYO GX ACTION」をスタートします。
次回は2025年5月に、東京ビッグサイトで、より充実したコンテンツで「TOKYO GX ACTION CHANGING〜未来を変える脱炭素アクション〜」が開催予定です!ぜひ、お子さんと身近なカーボンニュートラルについて、体感してみてください。
次回のイベント情報はこちら
「TOKYO GX ACTION CHANGING〜未来を変える脱炭素アクション〜」
日時:2025年5月17日(土)、5月18日(日)
場所:東京ビッグサイト東1~3/南1~4
入場料:無料*一部事前予約コンテンツあり
「TOKYO GXACTION BEGINNING~知るから始まる脱炭素~」についてはこちらから>>>
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取材・文/Rina Ota