目次
日本の共働き家庭の割合
共働き家庭は年々増え、もはや「珍しい」と感じることもなくなりましたね。ここではまず、共働き家庭の概要や増加傾向の理由を押さえておきましょう。
そもそも共働きとは
そもそも「共働き」とは、夫婦の両者が雇用され、働いていることを指します。
多様な意見があるようですが、基本的には正社員・フルタイム勤務だけではなく、非正規雇用・パートタイム勤務等でも、両者が働いていればそれは「共働き」とみなされます。国の主な機関で統計を取る際にも、共働きにはパートタイム勤務者も含めているようです。
共働き世帯は年々増加
そんな共働き世帯は昭和後期より少しずつ増え続け、平成9年以降にもなると男性雇用者×専業主婦の世帯数を上回りました。
さらに、令和元年になると、
・共働き世帯:1,245万世帯
・専業主婦世帯:582万世帯
という調査結果が!
年々増え続けた共働き世帯の割合が、とうとう圧倒的に多くなったことがわかりますね。
出典:
厚生労働省『令和2年版 厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-』
統計局『平成30年 労働力調査年報』
共働きが増加している理由
では、なぜ共働き世帯はここまで増加しているのでしょうか?
その理由のひとつとして考えられるのが、バブル崩壊以降の不安定な経済により、世帯所得が減少していること。よって、夫婦両者が働かざるを得ない状況が生まれていることが増加の一因に挙げられます。
とはいえ、ネガティブなことばかりが要因となっているわけではありません。女性の大学進学率が上がったことや、かつての「男性は外で働き、女性は家庭を守る」といった性別役割分担意識が変化したこと、そして、1985年に制定された男女雇用機会均等法やその改正からの影響等々……女性が働きやすい環境が少しずつ整ってきたことも、共働き世帯の増加の理由と考えられます。
共働き家庭の年収と家計管理
夫婦がともに働くことで見込める一番のメリットといえば、やはり財源がふたつに増えることですよね。実際にはどのくらいの収入が期待できるのか、以下で見ていきましょう。
共働き家庭の月収・年収
2017年の総務省による「家計調査報告(家計収支編)平成29年」では、共働き世帯の合計月収は平均約61万なので、単純計算で年収は約732万円。一方、夫だけが働いている専業主婦家庭の平均月収は約51万円なので、年収は約612万円です。以上のことから、共働きか専業主婦家庭かで、約120万円もの年収の差が生じていることがわかります。
家計管理のポイント
共働き世帯の方が収入が多く見込めることがわかりましたが、だからといって油断は禁物。ふたりとも働いてるから……と出費のかさむ暮らしをしてしまい、大変なことになってしまうパターンもありがちです。
家計管理の基本的なポイントは、
・無理のない家計管理を目指すこと
・ふたりでよく話し合い、ルールを決めておくこと
の2つ。ふたりが気持ちよく働き、生活ができるような無理のないルールを決めておきましょう。
過去記事では共働き家庭の家計管理について詳しく述べているので、ぜひ、こちらも参考にしてみてくださいね。
共働き家庭の家事分担
夫婦がお互いに働く共働き家庭では、家事の分担は重要な課題です。そこで今回は、HugKum読者の「共働き」するママパパたちに、ご家庭での家事分担に関して、その実情をアンケートで聞いてみました。
Q.ご家庭の家事分担をどのように思いますか?
アンケートの結果、過半数近くから「妻の負担が多いと感じる」との回答が寄せられました。理由のなかには、「ついつい妻に任せてしまう」「夫のほうが仕事が大変」といったものが目立ちます。
「適切に分担できていると思う」との回答は3分の1程度にとどまり、少数ながら「夫の負担が多いと感じる」というご家庭も中には見受けられました。
以下では、各回答に寄せられたコメントを引用の上ご紹介いたします。
妻の負担が多いと感じる
適切に分担できていると思う
夫の負担が多いと感じる
共働き家庭の育児分担
共働き家庭にとっては、育児分担も重要な課題です。HugKum読者の「共働き」するママパパたちに、ご家庭での育児分担に関してもアンケートで聞いてみました。
Q.ご家庭の家事分担をどのように思いますか?
こちらも家事同様、「妻のほうが負担が多いと感じる」との回答が圧倒的に多く、その数はなんと過半数を超えました。「夫のほうが勤務時間が長い」ことで、どうしてもママに育児が偏りがちになっているご家庭が多いようです。
一方で、「適切に分担できていると思う」との回答にも過半数近く票が集まり、両極端な印象を受けます。
以下では、各回答に寄せられたコメントを引用の上ご紹介いたします。
妻のほうが負担が多いと感じる
適切に分担できていると思う
夫のほうが負担が多いと感じる
共働きのメリットとは
家事や育児の分担はもちろん必要不可欠ですが、共働きをすることで、さまざまなメリットが期待できます。以下では、共働きによって見込めるメリットをまとめてみました。
収入が増える
共働きのメリットは、なんといっても財源がふたつになり、収入が増えることではないでしょうか。生活費はもちろん、子どもの教育費や老後の資金も貯めることができ、経済的な余裕が生まれます。また、どちらかの仕事に万が一のことが起きた場合の備えにもなるはず。
お互いがキャリアを磨ける
お互いが父親・母親としてだけでなく、一社会人としてキャリアを積める点も、共働きのメリットです。社会に出て働くことで、育児以外の生きがいができ、充実感も得られます。人によっては、仕事が育児の息抜きになることも。
共働きのデメリットとは
逆に、共働きにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、共働きのデメリットをまとめてみました。
育児や家事との両立が大変
共働きの主なデメリットは、やはり育児や家事との両立が難しいこと。お互いに外で働いていると、家にいるときは両者ともに疲れてしまい、家事・育児の分担で夫婦喧嘩が起きるということがよくあるようです。
雇用形態や仕事のスタイルにもよりますが、お子さんの病気やイベントの際に、ふたりとも動きづらい、なんてことも。
先述しましたが、育児や家事の分担については事前にしっかりルールを決めておく必要がありますね。
かえって出費が増えることも
また、外で仕事をしていると、昼食代、交際費、外食費、身だしなみにかかる費用など、かえって出費が増えてしまうこともあります。小さいお子さんがいる場合は、保育料を負担する必要も。
経済的な理由で共働きを考えている場合は、ふたりが働くことで生じる出費についても慎重に考えておきたいですね。
共働きで子どもの習い事をさせるには
夫婦で共働きをしていると、子どもに習い事をさせてあげられないのでは…?と不安になる方もいるかもしれません。共働きでも子どもの習いごとを可能にするためのポイントを押さえておきましょう。
仕事と習いごとの時間をうまく調整する
共働き家庭にとっての子どもの習い事の大変な点は、なんといっても送り迎えではないでしょうか。家事と仕事の合間の子どもの習い事への送り迎えは、結構きついものです。習い事は、ママかパパどちらかの仕事がお休みの日に入れるなど、うまく時間を調整しましょう。
自宅の近くや通いやすい場所を選ぶ
また、送迎の負担を減らすためには、できるだけ近所での習い事を選ぶことも大切です。たとえ仕事や家事の間でも、チャッ!と送ってすぐに帰って来られるような距離が理想的。子どもが成長していくうちに、ひとりでも通えるようになるかもしれません。
ほか、夫婦で協力して送迎や家事を行いながら、子どものやりたい習い事は通わせてあげられるといいですね。
「共働き家庭での子どもの習い事」事情には、過去の記事でも詳しくふれているので、こちらもご参照ください♪
共働き家庭が円満に過ごす秘訣
上でも述べたとおり、お互いに仕事のことで余裕がなくなってくると、家事や育児のことで何かと揉めてしまいがちに。共働きをしながら、家庭円満に過ごすためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか?
家事は完璧でなくてもよいとする
揉める原因となりがちなのが、やっぱり家事です。ふたりとも仕事で疲れていると、「どうしてわたしがやらないといけないの?」「これ、どっちがやるの?」とトラブルになってしまったり。
家事のことでトラブルになるおそれがある場合は、あらかじめ「家事は完璧ではなくてもOK」ということにしてしまいましょう。たとえ何かが抜けていてもお互いが寛容になれます。
全自動家電や時短調理器具を導入する
また、頼れるものには存分に頼りましょう。なかでも食洗機などの全自動家電や、料理の工程を大幅に省ける時短調理器具は忙しいママパパの味方です。機械に任せられる部分は任せて、短縮できた時間を他の家事や自分の時間に回せたりと、良いことだらけ。決して安いものばかりではありませんが、導入を検討してみるのもいいかも!
忙しくてもコミュニケーションをとるようにする
夫婦ともに仕事が忙しくなってくると、コミュニケーションが不足しがちです。どんなに忙しくても、できるだけ夫婦でコミュニケーションを取るようにお互いが努めましょう。家事や育児の分担についても、思うことがあれば相談し合ったほうが吉。時には、ふたりで外出をして共に息抜きするのもおすすめです。
共働き家庭の円満の秘訣【体験談】
HugKum読者のママパパたちにも、共働きの夫婦が円満にやりくりする秘訣を聞いてみました。みなさんから寄せられた体験談からは、適度なリフレッシュとお互いが感謝の気持ちを忘れないことの大切さが読み取れます。
以下では、みなさんからのコメントを引用してご紹介!
お互いに状況を把握し合って、家事や育児を協力し合いましょう
夫婦が共に仕事をする「共働き」にはさまざまなメリットがある一方で、両者ともに忙しくなると、お互いを思いやる余裕をなくしがちです。どんなに忙しくてもコミュニケーションを重ねながら、お互いが「今どんな状況なのか」を把握して、家事や育児は協力し合っていきたいですね。
構成・文/羽吹理美