司会者や司令官など、日常でもよく目にする「司」。名付けでも「つかさ」と1文字で読んだり、男の子の名前の止め字にしたりとポピュラーな存在です。
「司」を名付けに使いたいと考えている方に向けて、「司」の成り立ちや意味、また「司」を使ったおすすめの名前を男女ともにご紹介します。
「司」の成り立ちと意味
まずは「司」という漢字の成り立ちや由来、意味について見ていきましょう。
「司」の成り立ち
「司」は「つかさ」「つかさど(る)」「シ」「ス」などさまざまな読みを持つ漢字です。字の中央にある「口」は祈りの言葉を唱える口の象形。また、外側はまつりごとの旗とも、斧をあらわす士とも言われています。
以上の成り立ちから、「司」は重要な場面、まつりごとを取り仕切る人を指す会意文字となりました。古来より公の役職の人や職業そのものを指す言葉として用いられています。
「司」の意味
「司」は、古くは飛鳥時代に地方をおさめるために中央から派遣された役人である「国司(こくし)」、その下で行政に携わる「郡司」など、国に任命された役職を指す言葉として使われていました。また、現在でも行司、宮司など祭事を取り仕切る人や児童福祉司、保護司などある特別な役職の名称には「司」が入っています。
そのほかにも、司会者や上司、司令、司書など、その場で采配を振るう人や専門職など何かをつかさどる人を指す言葉として広く用いられています。
「司」を使った名前はどんなイメージ?
公の役職や仕切り役と言った意味を持つ「司」は、名前ではどんな意味やイメージを持つのでしょうか。主なものを次から解説していきます。
リーダーシップが取れる人
「司」のもともとの意味から、名前でもリーダーシップが取れる、人の上に立つ器を持っている人という意味が込められます。周囲の信頼を得て、物事の中心となって率いることができる人になってほしいと願う方に「司」はおすすめです。
賢い人
その場を取り仕切り、あれこれ采配を振るうためには賢さが必要です。「司」を使った名前には、人を納得させられる知性や困難を切り抜ける心の強さ、賢さを願うことができます。また、「司」そのものも、音や字面に知的なイメージがある漢字です。
気遣いが出来る人
全体を見渡してリーダーシップを取る人は、きめ細やかな気配りができる人でなければいけません。「司」を使った名前には、上に立つ者として周囲への心配りを忘れない優しさや視野の広さといった意味も込められます。
決断力がある人
人の上に立つ人は、決断すべき場面で勇気を持って選ぶことができる決断力が求められるものです。「司」を使った名前には、必要に応じてきっぱりと物事を決めることができる力や勇気を願うことができます。
また、決断力は人のためだけに使うものではありません。自分の成長のために何かを決められる賢さ、したたかさといった意味も「司」には込められます。
「司」を使った女の子の名前5選!
ここからは、「司」を使った女の子の名前を紹介します。
参考:赤ちゃん命名ガイド
司乃(しの)
「乃」はしなやかさや美しさをあらわす、女の子の名前の止め字に人気の漢字です。「司」と組み合わせた司乃という名前には、賢さやリーダーシップと、しなやかな美しさを兼ね備えた人になってほしいという願いが込められます。
司(つかさ)
「司」1文字の名前はきりっとしたイメージの名前を探している方におすすめです。また、近年流行している1文字の名前は中性的でおしゃれなイメージを持っているのも特徴です。
今回は女の子の名前として紹介していますが、男の子の名前にも選ぶことができますよ。
司穂(しほ)
たわわに実った稲や麦をイメージさせる「穂」は、名前でも豊かさや実りの多さといった意味が込められる漢字です。賢さや決断力を持ち、人生にたくさんの実りをもたらすことができますようにと願う方に、司穂という名前はおすすめです。
司紗(かずさ)
夏の羽織などに使われる薄い布織物を「紗」と呼び、名付けでは軽やかで可憐なイメージを込められます。司紗という名前には、考える力、賢さと可愛らしさを併せ持つ人になってほしいという願いが込められます。
司美(つぐみ)
名付けでは心身の美しさを願って用いられる「美」。リーダーシップのイメージを持つ「司」と合わせた司美という名前には、人の上に立つ資質と美しさを併せ持つ人、という意味が込められます。
「司」を使った男の子の名前5選!
次に「司」を使った男の子の名前を紹介します。
参考:赤ちゃん命名ガイド
篤司(あつし)
心がこもった物事、念入りなことを指すのが「篤」。人望の厚さをイメージさせる漢字でもあります。
篤司という名前には、誠実な人柄で、自然と人に頼られるような資質を持つ人になってほしいという願いが込められます。
司稀(かずき)
たぐいまれな、貴重なことをあらわすのが「稀」という漢字です。名付けでも、かけがえのない大切な存在というママパパの思いや、才能に恵まれるといった意味が込められます。
司稀という名前は、リーダーとしてのたぐいまれな器に恵まれますように、と願う方にもおすすめです。
響司(きょうじ)
音響、反響といった音にまつわる意味を主に持つ「響」は、名前では音楽の才能や、人の心を動かす能力を願って用いられます。
響司という名前は、人の心を打つものを生み出せる才能に恵まれてほしいと願う方におすすめです。
聖司(せいじ)
神秘的で清らかなイメージの「聖」。名付けでは、知的で人を導くことのできる能力を願って用いられることもあります。
賢く優しい人になることを願う方には、「聖司」という名前がおすすめです。
将司(まさし)
勇ましいイメージのある「将」。「司」と同じく、人を率いるという意味も持つ漢字です。
将司という名前には、パワーにあふれ、人を引っ張れるような人物のイメージが込められます。
名付けのポイントと注意点
最後に、赤ちゃんの名前を考えるときのポイントや注意点を解説していきます。
名前の響き
名前は実際に呼び合うことも多いので、字面や意味だけでなく響きも大切です。「司」にもいろいろな読み方があるので、名前候補の音がしっくりこない場合は違う読み方を調べてみても良いでしょう。
口に出してみて違和感が無いか、名字とつなげて呼んだときのバランスも確認してみてくださいね。
名前の意味
漢字にはさまざまな意味があり、組み合わせ次第で意味が付け足されたり変わったりするものも。名付けではママパパの願いを託せる文字を厳選する必要があります。
お子さんにこんな人に育ってほしいという願いや、あるいは健康や長寿の意味を込めたいなど、名前に込める意味に合う漢字を選んでみましょう。
姓名判断
日本では古くから、名前の字画からその人の性格や運命を占う姓名判断がさかんに行われてきました。神経質になる必要はありませんが、気になる方は調べてみましょう。姓名判断にはWebサイトで手軽にできるものから、お寺や神社で行う本格的なものまであります。ご自身に合った方法を選んでみてくださいね。
知的でかっこいい「司」を名前に用いよう!
男女ともに使えて、知的できりっとかっこいいイメージの「司」。1文字でも、他の漢字と組み合わせても良い名前になる「司」をぜひ名前候補にしてみてはいかがでしょうか。
※ HugKum の記事から「名付け」に関する記事をピックアップしました。参考にしてみてください。記事はこちら。
文・構成/HugKum編集部 ※写真はイメージです。