目次
チャイルドシートは義務
チャイルドシートは道路交通法によって使用が義務付けられています。チャイルドシートの種類や、何歳まで使わなければいけないのか、また免除となるケースなどを見ていきましょう。
年齢別・チャイルドシートの種類と選び方
チャイルドシートには大きく分けて3種類あり、年齢別に使い分ける必要があります。
0~1歳:ベビーシート
0~1歳までは、ベビーシートを使います。ベビーシートは、生まれたばかりの新生児から使えます。首がすわっていない赤ちゃんを衝撃から守るために、進行方向に対して後ろ向きに、背もたれを45度に保つように装着するタイプがほとんどです。
メーカーによっては、シート部分の取り外してキャリーとして持ち運べるタイプや、ベビーカーとドッキングできるタイプなど、便利な製品もあるので、使い勝手のよいものを選ぶことができます。
1~4歳:チャイルドシート
1~4歳が使うのがチャイルドシートです。チャイルドシートは、身長65~100cm、体重9~18kgくらいの体型の子どもを目安に設計されています。
特徴としては、肩、腰、股を5点式ハーネスでしっかり支えられる点です。ベビーシートのサイズが合わなくなったら、チャイルドシートに切り替えます。
4~11歳:ジュニアシート
4歳から11歳ごろまで使えるのがジュニアシートです。ジュニアシートは、身長145cm以下、体重15~36kgの子どもを目安に設計されています。
背もたれのあるタイプと座面のみのブースタータイプがあり、それぞれメリットがあります。背もたれのあるタイプは、車にセットしたまま使うのにおすすめ。ブースタータイプはシートに置くだけなので簡単に取り付けられるのがメリットです。
最近は、背もたれのあるタイプとブースターシートを切り替えできる製品もあります。車に乗る頻度などに合わせて選ぶとよいでしょう。
チャイルドシートは何歳まで必要?いつまで使える?
6歳未満の子どもを自動車に乗せるときは、チャイルドシートを使用することが道路交通法で定められています。また、年齢が6歳以上であっても身長が140cm以下の場合は、シートベルトを安全に装着できないため、ジュニアシートの装着が推奨されています。
チャイルドシートの使用は、親や大人の義務
チャイルドシートを法律の面から見ていきましょう。
法律では何歳から何歳まで?
前述したとおり、道路交通法では、6歳未満の幼児を乗せる場合に、チャイルドシートの使用が義務づけられています。6歳未満ということは、生まれたばかりの新生児から6歳未満までは、チャイルドシートを使用しなければなりません。
義務化はいつ定められた?
チャイルドシート使用の義務化は、道路交通法の改正によって、2000年4月1日から義務化されました。
違反するとどうなる?
チャイルドシートを使用しなかった場合、ドライバーは「幼児用補助装置使用義務違反」となります。その際、違反点数1点が加算されます。ただし、罰金や反則金はありません。
チャイルドシート使用義務免除の例外も
チャイルドシートは義務化されていますが、使用義務が免除される例外もあります。
チャイルドシートを固定できない場合
車に座席ベルトが装備されていなかったり、特殊な座席ベルトが装備されているなど、座席の構造上チャイルドシートを固定することができない場合は、チャイルドシートの使用が免除されます。
乗車人員がチャイルドシートの設置により乗れないとき
チャイルドシートを設置することで、乗車定員の全員が乗れなくなる場合はチャイルドシートの使用が免除されます。
子どもが負傷している場合
子どもが骨折やひどい皮膚病などで負傷しているなど、怪我や病気の場合、あるいは、チャイルドシートを使うと健康状態を保てない場合には、チャイルドシートの使用が免除されます。
身体状態によってチャイルドシートが使用できない場合
著しい肥満などの身体状態によって、適切にチャイルドシートを使用できない場合は免除されます。
おむつ交換や授乳中
おむつの交換や授乳など、チャイルドシートを使用したままでは、赤ちゃんのケアができない場合は免除されます。
バスやタクシーに乗ったとき
バスやタクシーなど、一般旅客運送事業の車両に乗るときには使用義務が免除されます。
道路運送法第78条の2項と3項に該当する運送車
一般乗合自動車運送事業が成り立っていない過疎地域で、運輸大臣の許可を得て有償運送を行っている車は、チャイルドシートの使用義務が免除されます。
緊急搬送の場合
怪我や病気の子どもを医療機関に搬送する場合や、迷子の子どもを警察署まで送るときなど、緊急搬送の必要がある場合は、使用義務が免除されます。
こんなとき、チャイルドシートの設置はどうする?
チャイルドシートをどのように設置すればよいのか、場合によっては迷ってしまうことがあるかもしれません。ケース別に見ていきましょう。
助手席への設置は避ける
チャイルドシートを助手席に設置することは、法律違反ではありません。チャイルドシートの設置場所には、とくに決まりはありません。
しかし、助手席への設置は基本的に避けてください。エアバッグが作動すると、チャイルドシートを吹き飛ばしてしまう恐れがあるためです。どうしても助手席にチャイルドシートを設置したい場合には、以下に気をつけてください。
・前向きタイプのチャイルドシートを設置する
・エアバッグが作動したときにできるだけぶつからないよう、助手席のシートを一番後ろまで下げて取り付ける
・エアバックの解除装置がついている場合は、キャンセル設定をする
タクシーは免除
タクシーやバスなどでは、チャイルドシートの使用が免除されます。しかし、より安全に乗車したいのであれば、チャイルドシートの使用を考えておきましょう。
タクシーなどでチャイルドシートを使う場合は、持ち運びできるキャリータイプがおすすめです。シートごと子どもをタクシーに乗せることができます。
また、タクシー会社によっては、チャイルドシートを搭載した車両や、チャイルドシートが用意されたキッズタクシーなどのサービスがあります。タクシー会社に問い合わせて、確認してみてください。
他人の車でも必要
他人の車に乗るからといって、チャイルドシートの使用義務が免除されるわけではありません。他人の車に子どもを乗せるときにも、チャイルドシートは必要です。もし、チャイルドシートを使用しておらず、警察に検挙された場合は運転手が罰則を受けることになります。
抱っこしたままはNG
大人が赤ちゃんを抱っこして乗れば、チャイルドシートは不要というようなことはありません。万一、事故にあった場合、抱っこでは赤ちゃんの安全を守ることはできません。
ただし、前述したように、タクシーに乗るときは、おむつを替えたり、授乳したりなど、チャイルドシートをはずさないと赤ちゃんのケアができない場合に限り、チャイルドシートの使用は免除されます。
チャイルドシートの子どもの命を守るため
チャイルドシートは、車に乗車した際に乳幼児の安全を守ってくれる大切なツール。子どもが嫌がったり、チャイルドシートに座らせるのが面倒と感じても、命を守ること以上に大切なことはありません。
6歳までは必須。それを忘れずに、正しく設置して使うようにしてください。
文・構成/HugKum編集部