そろそろ離乳食を開始しようと思ったとき、心配のひとつが食物アレルギーではないでしょうか。アレルギー症状は離乳食を食べはじめていつごろから出るのでしょうか。また、アレルギーの疑いがある場合、離乳食をどのように進めればよいのでしょうか。今回は、離乳食でアレルギー症状が出た場合の対処法、アレルギーに注意したい三大アレルゲン(卵・乳製品・小麦)と大豆・肉魚・野菜穀物食材についてご紹介します。
目次
離乳食を食べてアレルギー症状が出るのはいつから?
生後5~6ヶ月を過ぎるとそろそろ離乳食を開始しようと考えるママも多いのではないでしょうか。離乳食を開始すると、食物アレルギーをきっかけに乳児アトピー性皮膚炎を発症してしまう可能性が考えられます。アレルギーの原因になりやすい卵、ミルク、小麦などの食べ始めを遅く、米食を主食として慎重に離乳していきましょう。
アレルギーの疑いがあるときの離乳食の進め方
アレルギーの疑いがあるときは、小麦は生後8ヶ月頃、ミルクは1歳頃、卵は1歳半頃を目安に、耳かき1杯くらいの少量から少しずつ様子を見ながら増やしましょう。離乳食開始後、アレルギーを疑う症状を繰り返す場合は血液検査を行い、食物アレルギーの有無を確認してから小さじ1杯程度ずつ増やしていきましょう。
離乳食でアレルギー症状が出た場合の対処法
離乳食をスタートすると、原因となる食物の刺激により乳児アトピー性皮膚炎が現れる赤ちゃんもいます。気になる症状が出たら2~3ヶ月くらい様子を見た後、食物アレルギーの血液検査を行ってみましょう。血液検査の結果、軽症の場合は生後8ヶ月以降から小麦、1歳からミルク、1歳半から卵を耳かき1杯程度の量からの減感作療法を開始することができます。
重症の場合は、軽症の半年から1年遅らせてたスケジュールで減感作療法始めます。耳かき2~3杯の量で反応が見られたときは、さらに6ヶ月の間をあけ、再度開始してみましょう。減感作療法は子供の成長に合わせて行う必要があります。独自で判断でず、行う場合は必ずアレルギー専門医の指導を受けましょう。
離乳食のアレルギー検査の頻度
基本は6ヶ月ごと、血液検査を行ってください。減感作療法を行っている間も同様に、必ず6ヶ月ごとに血液検査をしましょう。ただし、減感作療法が順調に進んでおり、問題がない場合は医師の指導のもと、血液検査の間隔をあけ、必要のない採血を行わないなど工夫することも可能です。
アレルギーに注意したい離乳食の食材
離乳食を始めるにあたり、アレルギーに注意したい食材にはどんなものがあるのでしょうか。
アレルギー表示推奨品目21品目とは
アレルギー表示推奨品目21品目とは、消費者庁が指定するアレルギー発症の原因になりやすい物質のことを言います。初めて食べるときは特に注意が必要です。
重篤度や症例数が多く報告されている7品目(鶏卵、牛乳、小麦、落花生、ソバ、カニ、エビ)については内閣府令で「特定原材料」として表示が義務付けられています。また、一定の頻度で健康被害が報告されている21品目(いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、山芋、カシューナッツ、もも、ごま、サバ、さけ、イカ、鶏肉、りんご、松茸、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉、アーモンド)は表示推奨が通知されています。
三大アレルゲン食材とは
食物アレルギーを引き起こすアレルゲンには個人差がありますが、注意が必要な食品としては卵、牛乳・乳製品、小麦があげられます。食物アレルギーの発症は、アレルゲンとなる食品を初めて食べたときに起こることが多いため、アレルゲンとなり得る食品を食べるときは、原因がわかるように1種類ずつ少しの量から試してみることがおすすめです。
子供の食物アレルギーを気にするあまり、妊娠中や授乳中のお母さんは食事を制限した方がよいなどと言われることがありますが、お母さんの食事と子供のアレルギーには関連はありません。バランスよくいろいろな食品を食べて健康に気をつけましょう。
アレルギーに注意したい三大アレルゲン関連食材
アレルギーに注意したい三大アレルゲン関連食材について解説します。
卵
三大アレルゲンのひとつ、卵のアレルギーは3歳未満の子供に多く見られます。卵アレルギーの症状としては、じんましんや咳、嘔吐、下痢などがあります。症状は、食べてすぐに出る場合や、数時間後に出る場合とさまざまです。卵はパンやケーキなどのお菓子だけでなく、ハンバーグのつなぎなどにも多く使われているので特に注意が必要です。
離乳食に卵を取り入れる場合は、まずは固ゆで卵の黄身からのスタートします。様子を見ながら少しずつ進め、離乳食完了期頃になると、卵焼きやスクランブルエッグなど食べられる卵料理も増えていきます。アレルギーが不安だからと言って、自己判断で食材の除去をすることはお勧めできません。少しずつ、丁寧にステップアップしていきましょう。
マヨネーズ(卵)
マヨネーズの原料には生卵が入っています。生卵は離乳食完了期まで食べることができません。さらに、1歳半を過ぎて幼児期に入ってからも、必ず加熱してから食べるようにしましょう。マヨネーズを加熱することに抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、炒め物は油の代わりにマヨネーズを使うことも可能です。和え物の場合も加熱しながら和えましょう。
卵アレルギーであるとわかっている場合は、使用しても大丈夫か医師に必ず確認するようにしましょう。
牛乳・乳製品
牛乳についても、離乳食に取り入れるときには注意が必要です。離乳食後期までは「牛乳は調理として使う」ことが基本です。飲み物として与えるのは離乳食完了期からにしましょう。牛乳と同様に、乳製品も注意が必要です。プレーンヨーグルトを少量からスタートしましょう。
牛乳や乳製品のアレルギーは、加熱や発酵ではアレルゲン性がほとんど変わらないという特徴があります。「体にじんましんがぽつぽつ出る」「下痢や嘔吐」「息が苦しそう」など体調の変化がみられるときは病院へ行きましょう。
チーズ(乳製品)
乳製品であるチーズは、離乳食完了期から使うことができます。取り入れる場合はまずは少量からスタートしましょう。チーズは塩分、脂肪分が多く、赤ちゃんの内臓に負担がかかるので、慣れてきてからも1~3g程度少量ずつ使いましょう。
素麺(そうめん)(小麦)
素麺(そうめん)は、離乳食中期から食べられるようになります。手軽に使えるので離乳食としても取り入れやすいのですが、原料は小麦粉なので注意が必要です。ほかの食品と同様に、小さじ1の量からスタートし、慣れてきたら汁物やおかずに入れるなど少しずつ食べるようにしましょう。
ホワイトソース(小麦・乳製品)
ホワイトソースには、三大アレルゲンであるバター、牛乳、小麦粉が使われているため、特に注意が必要です。バター、牛乳、小麦粉をそれぞれ単品ごとにチャレンジし、1歳を過ぎた離乳食完了期以降から食べるようにしましょう。さらに、ホワイトソースを使ったグラタンも、食材によってはアレルギーを引き起こす場合もあるので注意が必要です。
麩(小麦)
麩は離乳食中期ごろから取り入れることができます。麩は小麦粉に含まれる「グルテン」が原料に使われているため、小麦アレルギーを起こす場合があります。初めて麩を食べるときは、他の食品同様に小さじ1の量で様子を見ながら進めましょう。
うどん(小麦)
うどんの原料は小麦です。離乳食に取り入れるときは1さじ(5g程度)からスタートしましょう。慣れてきたら、離乳食初期は5g~20g、離乳食中期は25g~55g、離乳食後期は60g~80g、離乳食完了期は90g~120gと徐々に量を増やしていきましょう。