子どもが成長してくると、保育園や幼稚園の入園について考え始めるパパママも多いのではないでしょうか。保育園や幼稚園では「年少・年中・年長」と3段階のクラス分けをしますが、それぞれ何歳の子どもが通えるのでしょうか。
今回は、年少クラスは何歳から入れるのか、年少クラスの特徴や目的、年少さんにおすすめの習い事について解説します。さらに、年少さんにふさわしいお弁当箱の選び方、年少さんでも食べやすいお弁当のおかずレシピを紹介します。
年少さんは何歳?
年少さんは3歳?4歳? お子さんが入園前だとよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。年少さんは何歳なのか、早生まれの子はどうなるのかという疑問について詳しく解説していきます。
保育園でも幼稚園でも、4月1日時点での年齢が3歳の子が年少さん
保育園でも幼稚園でもこども園でも、学年は4月1日の時点での年齢を基にして決められています。
年少さんは、4月1日の時点で3歳の子たちをさします。義務教育までは4月2日から翌年4月1日までの間に誕生日が来る子が同学年になります。例えば2022年の4月に年少さんとして入園する子どもは、2018年4月2日から2019年4月1日に生まれた子たちです。2018年4月1日生まれの子は、たった一日の違いではありますが一学年上の年中さん、ということになります。
「なぜ4月2日からなの? キリよく4月1日から翌年3月31日までで区切った方が分かりやすくない?」
という疑問を抱く方もいると思います。これには「年齢計算ニ関スル法律」と「民法143条」が関係しています。それによると、年齢が加算されるタイミングは誕生日の前日が満了したとき、つまり深夜12時とされています。4月1日生まれの人は3月31日の深夜12時に、4月2日生まれの人は4月1日の深夜12時にひとつ年を取る、という風に考えます。そのためこのような区切り方になっているようです。
早生まれの子はどうなる?
4月2日から翌年4月1日までの間に生まれた子が同学年になりますが、その中で1月1日から4月1日の間に生まれた子を早生まれといいます。4月2日から12月31日までに生まれた子たちよりも遅く生まれているのに、なぜ早生まれというのかというと、同じ年の4月2日以降に生まれた子たちの学年より一年「早く」上の学年になるからです。
子どもは数週間、数か月でものすごく成長しますよね。そのため何か月かの生まれ月の違いが、成長の差として、特に幼児期には表れやすくなります。もちろん子どもによって個人差はありますが、一般的な早生まれの年少さんの特徴として、体が小さい、運動能力が未発達、体力がまだ十分でない、言葉が上手く出てこない、遊びのルールなどがまだ理解できない、などがあります。成長に伴ってだんだんとこの差は縮まっていき、小学校中学年頃にはほとんど成長差はなくなると言われています。ですが、「同級生の子たちについていけるかな?」「先生の指示を聞けるかな?」など早生まれのお子さんを持つ保護者の方は入園、入学のタイミングで不安を感じることも多いようです。
中には年少から入園する3年保育を見送り、年中さんからの2年保育にしたという方も。逆に集団に入れることで刺激を受けて成長していってほしい、と年少から入園させたという方もいます。どちらが正解ということはなく、お子さんの性格や園の雰囲気、方針など、総合的に考えてお子さんが楽しく過ごせるかどうか、ということがポイントになります。入園前のプレなどにいくつか通ってみて、子どもが楽しく過ごせそうか、どの園の雰囲気が子どもに合っているかを観察してみると、きっとお子さんに合った選択肢が見つかるはずです。
年少クラスの特徴や目的
年少クラスは、それまで保育園に通っていなかった子にとっては初めての集団生活です。親も子もドキドキで迎える初めての園生活。年少クラスではどんなことをして過ごすのか、どんなことができるようになるのかについて解説していきます。
この時期の発達
年少の頃の子どもは身体的にも知的にも発達が目覚ましく、大人とも一通りの会話ができるようになります。「おはようございます」「さようなら」「ありがとう」などの日常の挨拶の習得も、また「なんで?」「どうして?」など疑問に感じたことを質問する姿も目立つようになります。
「第一次反抗期」といわれる時期に差しかかり、自我が芽生えて自立への意識も高まりますが、できないことも多く、まだまだ周りの大人の根気強いサポートが必要です。園での先生やお友達との関りを通して、我慢したり、人を思いやる力を育んでいくことができます。
外遊び
3歳を過ぎると運動能力とともにバランス感覚や体幹も発達し、走る、跳ぶ、蹴る、転がる、ぶら下がるなどの複雑な運動もできるようになってきます。園庭や公園で遊ぶことで体の動かし方を覚えたり、危険を予測したりといった力が育まれます。また、サッカーや鬼ごっこなどルールのある遊びや運動を通して、お友達とどうやって遊んだら楽しめるか、ということを学んでいきます。
室内遊び
園の室内遊びでは、家庭ではなかなかできないダイナミックな制作をすることができます。粘土を使ったり、絵の具で手形・足形を大きな紙に付けたり、初めて触れる素材は子どもにとって大きな刺激になります。お友達と一緒に制作をすることで、普段遊んでいるときとはまた違った関り方が生まれ、仲間意識やクラスの一体感が高まります。また、絵本やお話の読み聞かせは集中力や想像力を育み、ストーリーを楽しむ力を育てます。
生活習慣の発達
自立心が芽生えてくる時期なので、登園や降園の準備をはじめ、手洗いや片付けなど、身の回りのことを自分で何でもやりたがるように。園でも1人で衣服の着脱ができたり、大人が手を貸さなくてもトイレに行けるようになる子も増えてきます。
ただ、年少クラスではまだおむつをしている子もいるので焦る必要はありません。お友達がトイレに行っている姿を見て自分も…という風に成長していくタイプの子もいます。先生の力を借りながらも、一人でできた、という達成感や満足感を少しずつ重ねていくことが子どもの自信につながっていきます。
社会的な発達
大人だけでなくお友達と関わることで社会的な発達が育まれます。まだ特定のお友達と仲良くする、というよりは好きな遊びを一緒に楽しむといった時期です。おままごとなど役割のある遊びをしたり、お友達と名前を呼びあい、「あそぼう」「入れて」など声を掛け合うことでコミュニケーション能力を育てていきます。
ただしまだ自分の気持ちを上手く言葉にしたり相手の気持ちを受け入れることは難しいので、ちょっとしたトラブルが起こりやすい時期でもあります。
年少さんの習い事のおすすめ
年少になるとチラホラと習い事を始める子も増えてきます。初めての習い事は何をやらせたらいい?とお悩みの方も多いはず。
ここでは年少さんの習い事として人気が高いものを、おすすめの理由とともにご紹介します。
水泳
比較的低年齢から始められることが多く、体力づくりや筋力をつけるのにもピッタリな水泳教室。成長期の体への負担が少ないことも魅力のひとつです。小学校から水泳の授業が始まることから、保育園・幼稚園の内に泳げるようになってほしいと考える保護者の方も多いようです。
体操
幼少期から体操を始めることで運動神経の基礎が培われます。また、柔軟性を身につけることで怪我をしにくく丈夫な体に。バランス感覚や美しい姿勢・所作が身につくことも人気の理由です。
ピアノ
人間の聴覚は2歳から6歳にかけて急激に成長します。この成長のタイミングで音楽を学ぶと絶対音感を身につけられる可能性が高まると言われています。また集中力が身につきやすく、小学校に上がってからも伴奏などで活躍の場が広がるのもメリットです。
サッカー
男の子に人気のサッカーですが、チームで活躍している女の子もたくさんいます。基本的なルールが分かればプレイすることができるので、年少さんにも人気の習い事です。体力がつくのはもちろんのこと、チームでプレイするので、コミュニケーション能力や協調性が育まれます。
英会話
英語の発音に抵抗のない幼児期に習うことで、自然とネイティブの発音が身につきます。幼児クラスは遊びを交えた授業形式が行われることが多く、楽しみながら学べる点も魅力です。2020年から小学校5、6年生で「外国語」という教科として採用されるようになったこともあり、英会話教室のニーズは高まっています。
年少さんにふさわしいお弁当箱の選び方
今日のおかずは何かな?とフタを開けるのが楽しみなお弁当。でもお弁当箱の容量や素材はどんなものを選んだら良いのでしょうか。年少さんにふさわしいお弁当箱の選び方について解説していきます。
サイズ・大きさ
年少さんのお弁当箱のサイズとしては、小食な子は280ml前後のもの、たくさん食べる子は370ml~450mlくらいのもの、それ以外の子は360ml前後のものが目安になります。お子さんによって食べられる量は違うと思うので、普段の食事の量を見て判断してみてくださいね。
ただ入園したての頃は緊張して食べるのに時間が掛かってしまったり、食べられる食材や量が少ないという子も多いので、普段食べる量よりもやや少なめの容量のお弁当箱を選ぶと良いでしょう。お弁当を全部食べられた!という経験が自信にもつながります。
だんだん量が食べられるようになってきて、お弁当箱が小さくなってきたかな?というときには、お弁当箱の中身をおかずにしておにぎりは別にしたり、反対におかずを別の容器に分けたり、中身の詰め方で量の調整をすることもできます。
素材
お弁当箱に使われている素材は、主にアルミ製・プラスチック製・木製のものがあります。園に保温庫がある場合は熱伝導率の良いアルミ製のお弁当箱が指定されることもあります。
アルミ製
アルミ製のメリットは丈夫で軽く、長持ちする点です。油汚れが落ちやすく洗いやすいのも利点ですが、電子レンジや食洗器不対応のものが多いのがデメリットです。
プラスチック製
プラスチック製はキャラクターものなど種類が豊富で子どもが喜びそうなデザインのものが多く、電子レンジや食洗器に対応しているものも多いのがメリット。色移りや臭い移りがしやすく、他の素材に比べて劣化しやすい点がデメリットです。
木製
木製のお弁当箱は、木がご飯から出る水分を吸収してくれるのでべちゃっとならず、美味しいご飯をキープすることができます。使えば使うほど味が出て、見た目がお洒落で美味しそうに見えるのもメリットですね。デメリットとしては、電子レンジや食洗器に不対応のものがほとんどで、カビの心配などがあることから浸け置き出来ないなど、お手入れは注意が必要な点が挙げられます。
メリット・デメリットを考慮しながら、お子さんにぴったりのお弁当箱を選んでみてくださいね。
扱いやすさ
お弁当箱の扱いやすさという点では、フタの種類が大きく影響してくるのではないでしょうか。主にフタをかぶせるタイプ・ロック式・シール式のフタがありますが、子どもが開け閉めしやすいかどうかがポイントになります。
フタをかぶせるタイプ
フタをかぶせるタイプは簡単にできるので開け閉めの問題は少なそうです。ただこのタイプはベルトで留めるタイプが多いので、ベルトを上手くつけたりはずしたりできるかという点も注意。フタの密閉性は低いため、汁気の多いおかずを入れると漏れやすいという注意点もあります。
ロック式
ロック式はパッキンでしっかり口を止められるので密閉性が高く漏れにくいですが、小さなお子さんには開け閉めに少しコツが必要かもしれません。
シール式
タッパーのフタと同じようなシール式のフタも密閉性が高く開け閉めも簡単ですが、開けるときにしっかりお弁当箱を押さえていないとひっくり返してしまう可能性があるので注意が必要です。
お子さんが扱いやすいタイプのフタを選んでみてくださいね。
年少さんが食べやすいお弁当のおかずレシピのおすすめ
お弁当に入れる量や具材に工夫が必要な年少さんでも食べやすい、おすすめのお弁当おかずレシピを紹介します。
混ぜ込みミニおにぎり
小食や食べる量にムラのある子どもでもパクっと食べられる、一口サイズのおにぎりです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ご飯 茶碗3~4杯分
鶏ひき肉 200g
アスパラガス 4本
酒・しょうゆ 各大さじ1
サラダ油 小さじ1/2
【A】
白ごま 小さじ1
塩昆布(刻む) 2つまみ
焼きのり 適量
◆作り方
【1】アスパラガスは粗みじん切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱して【1】とひき肉を炒め、酒としょうゆを加えてポロポロになるまで炒め、火を止めて【A】を加えて混ぜる。
【3】ご飯に【2】を混ぜ、一口サイズに握り、5mm幅に切ったのりを巻く。
教えてくれたのは
阪下 千恵さん
料理研究家、栄養士。おいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2015年4月号
ポケットサンド弁当
食べこぼしが気になる子どもにピッタリの、一人で上手に食べられるサンドイッチです。
■スクランブルエッグサンド
●材料(子ども1人分)
食パン(6枚切り) 1枚
溶き卵 1/2個分
【A】
塩 少々
牛乳 小さじ1/2
ハム 1/2枚
きゅうり 1/4本
サラダ油 適量
塩 ひとつまみ
●作り方
【1】食パンは半分に切り、切り口に包丁で切り込みを入 れてポケットにする。
【2】溶き卵にAを混ぜ、油を熱したフライパンで炒めてスクランブルエッグにする。
【3】ハムときゅうりは5㎜角に切る。きゅうりは塩もみして汁けを絞る。
【4】【2】に【3】を混ぜて【1】のポケットに詰め、お好みで耳をカットし、半分に切る。
■ミートボール
●材料(子ども1人分)
【A】
合いびき肉 50g
玉ねぎ(すりおろし) 大さじ1/2
溶き卵 大さじ1/2
塩・こしょう 各少々
パン粉 大さじ1
さやいんげん 1~2本
サラダ 油適量
【B】
しょうゆ 小さじ1/2
砂糖・みりん 各小さじ1/2
水 小さじ1
【C】
片栗粉 小さじ1/2
水 小さじ1
●作り方
【1】Aを混ぜ合わせて、よくこね、小さめの一口大に丸める。
【2】フライパンに油を多めに熱して【1】とさやいんげんを揚げ焼きにする。先にさやいんげんを取り出す。
【3】フライパンを拭いてBを煮立て、【2】のミートボールを戻し、混ぜ合わせたCを加え混ぜてタレを絡める。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
栄養士。おいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『ベビーブック』2014年5月号
豚肉のオクラ巻き
特別な下ごしらえをしなくても美味しく食べられるオクラを使った肉巻きです。フォークで刺しやすいので小さな子どもでも簡単に食べられます。
◆材料
(大人1人分+子ども1人分)
豚しゃぶしゃぶ用肉 100g
オクラ 4本
小麦粉 適量
サラダ油 小さじ1/2
【A】
しょうゆ 小さじ1強
みりん 小さじ1強
砂糖 小さじ1/2
◆作り方
【1】オクラはゆでて、ヘタを除く。
【2】豚肉に小麦粉をふり、【1】を端にのせてクルクル巻く。巻き終わりをしっかりと押さえ、全体に小麦粉をふる(薄い肉や短い肉は2枚重ねても)。
【3】フライパンにサラダ油を熱し、【2】の巻き終わりを下にして焼き、ふたをして、途中転がしながら火を通す。
【4】【3】のフライパンの余分な脂を拭き取り、【A】を加えて煮からめる。食べやすい大きさに切る。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
栄養士。おいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『ベビーブック』2014年5月号
トースターから揚げ/h3>
子どもの大好きなから揚げがトースターで簡単に! スピード勝負の忙しい朝も手軽に作れます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏もも肉 2枚
【A】
しょうゆ 大さじ1と1/2
酒 大さじ1/2
ごま油 大さじ1/2
すりおろししょうが 小さじ1
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
片栗粉 大さじ6~8
◆作り方
【1】鶏肉をキッチンバサミで食べやすい大きさに切って、ビニール袋に入れ、【A】を加えてよくもむ。
【2】【1】に片栗粉を加え、袋を振って全体にまぶす。
【3】アルミホイルを一度丸めてから広げて天板にのせ、サラダ油(分量外)をうすくぬり【2】を並べてトースターで5分焼き、返して1?3分焼く。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネー ター、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした 簡単で栄養バランスのとれた料 理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2015年8月号
鮭のスティック竜田揚げ
敬遠されがちなお魚のおかずも揚げ物にすれば、子どもでも美味しく食べられます。スティックタイプなので手づかみでも。
◆材料
(子ども1人分)
生鮭 1/2切れ
【A】
しょうゆ 小さじ1/2
酒 小さじ1/2
しょうが汁 少々
塩 少々
片栗粉・サラダ油 各適量
◆作り方
【1】生鮭は皮と骨を除 いてスティック状に切り、【A】をもみ込ん で、しばらく置く。
【2】【1】に片栗粉をまぶ し、多めの油を熱したフライパンで揚げ焼きにする。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネー ター、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいい レシピが人気。
『ベビーブック』2017年4月号
幼稚園・保育園を楽しもう
年少さんの特徴、おすすめの習い事やお弁当について紹介しました。入園したての年少さんは何をするにもドキドキしてしまいますが、幼稚園での目的を掴んでのびのび楽しい生活を送りましょう。
文・構成/HugKum編集部