夏祭りとは?
夏祭りとは、名前のとおり夏に行われる祭りのことです。各地方や地域ごとに独自の夏祭りがあり、それぞれに意味やストーリーがあります。
夏祭りの起源と歴史
夏祭りは、古事記にも記されている「天の岩戸隠れ」という神話に由来するといわれています。この神話は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れてしまい、それによって国から太陽が消えたというストーリーです。困った神々は、天照大神に出てきてもらえるように歌ったり踊ったりして宴を開いたというのです。
また、夏祭りが多く行われるのは、台風がやってきたり疫病が流行したりしやすい時期です。そこには、豊作を祝い人々の健康や安全を祈るといった意味も込められています。そういった由来から、夏祭りが古くから人々の間で行われてきたのです。
夏祭りはいつごろ行われる?
夏祭りが行われるのは、7月から9月ごろです。地域によって異なりますが、早いところは7月、遅ければ9月頃に行われ、10月になると「夏祭り」という呼び方ではなく「秋祭り」などの呼び方になるのが一般的です。
夏祭りで体験できること
夏祭りでは、踊ったり花火を見たりと楽しみがいっぱいです。どんなことが楽しめるのでしょうか?
屋台
夏祭りの会場に屋台がずらりと並ぶのは、おなじみの光景です。やきそば・お好み焼き・たこ焼・かき氷といった食べ物はもちろん、おめん・うちわ・射的・スーパーボウルすくい・金魚すくいといったゲームの屋台もいっぱい。子どもはもちろん、大人だって童心にかえって楽しめます。
独特の行事や神事
地域によって、独特の行事や神事が夏祭りとして行われることもあります。例えば日本三大祭りのひとつである祇園祭は、京都の八坂神社が舞台となって行われる神事です。
踊り
夏祭りといえば、盆踊りが思い浮かぶ人も多いでしょう。盆踊りはもともと仏教がルーツで、お盆の時期にご先祖様を供養するために始まったといわれています。太鼓や歌にあわせて踊る様子は、日本ならではの夏の風物詩ですね。
花火
夏祭りといえば、花火の存在は欠かせません。夜空に打ち上げられる花火の美しさは何ものにも代えがたいものです。全国各地で花火大会が開催され、会場周辺には屋台が並び、大勢の人々が詰めかけます。
子どもと一緒に楽しみたい!日本全国の代表的な夏祭り
日本を代表する各地の夏祭りについてご紹介しましょう。
青森ねぶた祭(青森県青森市)
青森ねぶた祭は東北三大祭りのひとつで、青森県青森市中心部で毎年8月上旬に行われます。
ねぶたと呼ばれる巨大な灯篭を山車にのせて街を練り歩くもので、とくに夜にライトアップされたときは圧巻。迫力満点で、この夏祭りを見に青森を訪れるツアーもあるほど人気です。祭りのフィナーレは青森花火大会で、1万発以上の花火が打ち上げられます。
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秋田竿燈まつり(秋田県秋田市)
秋田県秋田市で8月上旬に行われる、秋田竿燈(かんとう)まつり。長い竹竿を縦と横に組み合わせ、46個もの提灯をつるしたものを、若者が肩や腰などにのせて器用に操ります。
竿燈の数は約280本にもなり、会場を埋め尽くします。この提灯は米俵に見立てたもので、五穀豊穣や厄除けを祈願する夏祭りです。
仙台七夕まつり(宮城県仙台市)
宮城県仙台市で行われる仙台七夕まつり。七夕は7月7日ですが、新暦に1ヶ月を足した中暦を用いて、8月6日から8日に毎年行われます。
伊達政宗の時代から続いており、JR仙台駅から続くアーケードには豪華な笹飾りがずらりと並びます。
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山形花笠まつり(山形県山形市)
山形市で8月に行われる山形花笠まつり。およそ1万4000人もの踊り手が、花笠を手に掛け声や鈴の音にあわせて踊りながら街を練り歩きます。
明治から大正時代に山形地方で行われていた唄が、花笠音頭の発祥といわれています。
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神田祭(東京都千代田区)
祇園祭や天神祭とあわせて、日本三大祭といわれるのが東京都で行われる神田祭です。
東京都千代田区にある神田明神で、2年に一度行われます。およそ200基の神輿が神田明神を目指して街を練り歩き、街全体が熱気に包まれます。
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天神祭(大阪府大阪市)
日本三大祭りに数えられる天神祭は、大阪天満宮が鎮座して間もなくの天暦5年(951年)から始まったといわれる歴史ある夏祭りです。毎年、大阪天満宮を中心に6月下旬から7月下旬まで行われます。
太鼓や掛け声にあわせて神輿をかついで練り歩く様子や、100隻もの船が航行する船渡御(ふなとぎょ)といった神事が行われ、奉納花火が打ち上げられてフィナーレを迎えます。
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祇園祭(京都府京都市)
1000年以上前から、7月になると行われてきたのが祇園祭です。京都市の八坂神社の祭礼で、およそ1ヶ月にわたって繰り広げられます。もともとは、流行した疫病を鎮めようと始まったといわれています。
祭りのハイライトは、鮮やかなに彩られた山鉾と呼ばれる山車が通りをゆく巡行。ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、歴史ある伝統的な夏祭りです。
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阿波おどり(徳島県徳島市)
徳島県徳島市で8月上旬に行われる阿波おどり。全国各地で阿波おどりの夏祭りが繰り広げられていますが、本場は徳島市で行われる阿波おどりです。
本場だけあって、国内外から100万人以上の人々が訪れる大きなイベントとなります。江戸時代から約400年続く、日本の伝統的な夏祭りのひとつです。
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よさこい祭り(高知県高知市)
1954年から本格的に始まった、高知市のよさこい祭り。鳴子(なるこ)を手に持った踊り手が踊りながら前進していきます。
派手な衣装に身を包み、音楽にあわせて練り歩く様子はとても華やかです。高知の民謡「よさこい節」にあわせて踊る日本舞踊から始まったといわれています。
博多祇園山笠(福岡県福岡市)
博多祇園山笠は、福岡県福岡市にある櫛田神社に山笠と呼ばれる十数メートルもの豪華絢爛な神輿を奉納する祭りです。
クライマックスとなるのは、巨大な山笠を男性たちが担いで走り抜ける「追い山」。疫病を取り除くために始まったといわれ、鎌倉時代から続く伝統ある夏祭りです。
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夏祭りがテーマの子どもに読んであげたい本
夏祭りをテーマにした子ども向けの本もあります。
おまつりおばけめぐり
主人公のみーちゃんが、屋根裏部屋で1冊の古いアルバムを見つけました。それを開くと、おまつりおばけが登場。日本各地の楽しいおまつりをめぐるストーリーです。
きょうはおうちで なつまつり
ふだん幼稚園や保育園で行われている季節の行事や遊びを紹介するのが、「おうちほいくえん」シリーズ。夏祭りをテーマにしたこちらは、おうちでも夏祭り気分を楽しめるアイデアが詰まっています。
世界一おもしろいお祭りの本
秋田のなまはげ、鹿児島のボゼ神の仮面祭りなど、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本各地のお祭りを紹介する一冊。世界のお祭りも紹介していて、カラフルなイラスト付きだから、どんな祭りなのかイメージしやすく、読んだ子どもの興味を刺激します。
夏祭りを親子で楽しもう
夏祭りは全国各地で行われている、夏の風物詩。全国的に有名な夏祭りに出かけてもいいですし、近所で行われている小規模の夏祭りに参加するのもまたいいものです。夏祭りの日程を調べて、ぜひ親子で夏の思い出を作りに出かけてみてくださいね。
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構成・文/HugKum編集部