夏休みの自由研究、ママパパにとってはどんな思い出がありますか? 今回は、小学生の子どもの自由研究の目的や、実験・観察・工作・調べ学習などの種類、自由研究のやり方や進め方をまとめてみました。
自由研究は子どもの好きなことや興味を伸ばし、新しい可能性を引き出す絶好の機会です。自由研究を、子どもの成長に欠かせない大切なスキルを身につけるチャンスととらえて、家族みんなで楽しみながら取り組みましょう。
小学生の自由研究の目的
夏休みの宿題として出されることの多い自由研究。ここからは、小学生の自由研究の目的を考えてみました。
自由研究、いつ始まった?
そもそも自由研究はいつ、何のために始まったのでしょう?
その源流は大正デモクラシーの中で始まった「大正自由教育運動」にあるとされます。明治時代の「富国強兵」を旗印とした画一的な教育から、子どもの個性を尊重した新しい教育を目指しました。
その後、1947年から教科の1つとして自由研究の時間が取り入れられます。その目的について、指導要領は「児童の活動をのばし、学習を深く進めること」としていました。
1951年、教科としてはなくなりましたが、現在では夏休みや冬休みの宿題として自由研究が行われています。教室以外の場所でも、子どもの興味や能力を引き出し、伸ばしていくため、自由研究がより一層重要視されているようです。
自主性や問題解決能力を育てる
自由研究は、地域や環境のなかから身近なテーマを設定し、子どもたちが能動的に学ぶことが目的です。自由研究を通して、自ら課題を見付け、学び、考え、判断することで、自主性や問題解決能力が育まれます。
自由研究は、社会で生きていくために必要なスキルや能力を身につける最初の一歩となる可能性もあるでしょう。
子どもに「個」の力をつける
自由研究は、原則ひとりで行うのが基本。また、真剣に取り組むほど、ひとりでできることが格段に増えます。途中、ひとりの作業に挫折しそうになったり、失敗したりすることもあるでしょうが、それも学びにつながります。
ママパパの役目は、子どもが最後までやり遂げられるようにサポートすること。ひとりで頑張った暁には、子どもの個の能力がレベルアップしているはずです。
小学生の自由研究の種類
自由研究は、身のまわりのさまざまなことをテーマにできますが、手法にはいくつかパターンがあります。代表的なものは、実験する、観察する、工作する(何かを作る)、調べるです。
実験研究
実験研究は、多くの場合、1日のまとまった時間を使って行う短期集中型の自由研究です。材料や道具を揃える必要がありますので、実験の日を決めたら、スケジュールを立てて準備を進めましょう。
実験研究の例
観察研究
短期集中型の実験研究に比べて、観察研究は長期型の自由研究といえるでしょう。一度にまとまった時間を取ることが難しくても、毎日、少しずつ続けていくことで完成させます。
観察研究の例
工作研究
工作は、作るものによっては1日でできるものもあれば、数日かかるものもありますが、ママやパパも一緒に楽しめる自由研究と言えます。
また、何かを作るだけでなく、材料や作り方、苦労したこと、難しかったことなどをまとめると、自由研究の達成感も大きくなります。
工作研究の例
調べ学習
調べ学習は、身のまわりの疑問や不思議なことを調査してまとめる自由研究です。観察研究が生き物や自然などを対象としていることに比べ、調べ学習は社会や人間の行動を対象にしているものが多いでしょう。子どもが疑問に感じていること、不思議に思っていること、興味を持っていることを大切にしながらテーマを選びましょう。
調べ学習の例
自由研究のやり方・進め方
自由研究のやり方や進め方を身につけることは、子どもにとって、将来に必要なスキルを身につける第一歩となるはずです。ここからは、自由研究のやり方や進め方の手順をまとめてみました。
1:テーマや題材を決める
子どもが「なぜ?」「どうして?」と興味を持ったものから、自由研究のテーマを探していきます。もちろん、自由研究のテーマが掲載されている本やウェブサイトから探してもいいでしょう。
2:計画を立てる
テーマや題材が決まったら、以下を考えて計画を立てましょう。
・知りたいことは何か
・どういう方法で調べるのか
・なにを準備するのか
・いつやるのか
たとえば、朝顔の観察なら以下のようになるでしょう。
・知りたいことは何か:朝顔がいつ、どんなふうに咲くのかを調べる
・どういう方法で調べるのか:毎朝、7時に起きて、朝顔の様子を観察する
・なにを準備するのか:虫めがね、観察ノート、えんぴつ
・いつやるのか:7月25日〜8月10日
頭で考えるだけでなく、ノートなどにしっかりと書いておくと、結果をまとめる時にも役立ちます。
また、自由研究をはじめる前に「こういう結果になるだろう」という仮説を立てておくといいでしょう。事前に結果や途中経過を考えておくと、自由研究がスムーズに進行するうえ、予想外の出来事にも気づきやすくなります。
3:自由研究を行う
計画にしたがって、自由研究を進めていきましょう。自由研究は正しい手順で行うことが大切です。また、安全にも十分に気をつけてください。
自由研究キットを使用すると、進め方や手順などがわかりやすく記載されているので便利ですね。
4:結果を整理してまとめる
自由研究の成果をまとめます。大きな模造紙にまとめたり、ノートやレポートにまとめたり、まずどんな形がいいかを考えます。
形が決まったら、次は全体の構成を考えます。模造紙にまとめるなら、まず、どこに、どれくらいのスペースで、なにを書くかを模造紙よりも小さなサイズの紙に書いてみるのがおすすめです。ノートやレポート用紙にまとめるなら、目次を作って、全体の構成を考えるといいでしょう。
5:結果を発表する
自由研究の内容を発表する機会がある場合は、クラスメートの顔を見ながら、大きな声で、ゆっくりと発表できるように、お家で練習しましょう。まずは人前で発表することに慣れてもらうことが大切です。
また、研究結果とあわせて、一番工夫したところ、難しかったところ、意外だったことなども伝えられるといいですね。
自由研究のやり方ひとつで、大切なスキルを身につけられる
自由研究は、子どもの新しい可能性を引き出し、個の力を高めてくれます。また、自由研究の一連の流れを通して、社会に出たときに必要なスキルに触れることができるでしょう。学びはもちろん、素敵な思い出づくりのためにも、ぜひ自由研究を活用してください。
文・構成/HugKum編集部
夏休みの自由研究
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