子どものモノは、子どもが整理する
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
7歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは「子どもが取り組みやすい整理のコツ」です。
おもちゃ、文房具、プリント、作品…。子どものモノが増えてきて「そろそろ整理しないと…」というタイミング。皆さんはどうしていますか?「親がこっそり捨てています」という方、ちょっと待って!
子どもの想いを無視して親が勝手に整理してしまうと、いつまで経っても「自分ごと」になりません。そればかりか、モノを大切にしなくなったり、逆に「全部大事だから絶対に捨てないで!」と固執する場合も。モノの好き、嫌いなど本人の意思が出てきたら、なるべく子ども自身が整理するクセづけをしましょう。ヒントをお伝えしますので、是非参考にしてくださいね!
まずは、小さなモノから
整理とは、今あるものを使いやすくするために「分ける」こと。慣れていないと、拒否反応を示したり、戸惑ってしまうのは当たり前です。また、いきなり自分の持ち物すべてを整理するのは大変。途方に暮れてしまいます。大人の感覚で簡単にできると見積もってしまいがちですが、子ども本人にとってはすごく難しい場合も。
そんな時は「小さな成功体験」を積み重ねることが大事です。モノを全部出してもダイニングテーブルや勉強机の上におさまるような、ひとつひとつが小さなモノからはじめることをオススメします。文房具や小さなアクセサリーなどは最適。小さいと、ズラリと並べた時に全体を把握しやすいですし、作業の終わりが見えやすいのです。
ちなみに、大人の整理も全く一緒。「ずっと気になっている、あの物置部屋を…」といきなりラスボスに挑まないこと。まずは肩慣らしによく使う文房具やカバンの中のようなものからどうぞ。テーブルの上で完結するモノからはじめると感覚がつかみやすくなります。少しずつ範囲を広くしていけば、そのうちラスボスも攻略できるようになるのです。お試しくださいね!
「迷い中」で一時保管
整理する=大事なモノを捨てられる。悲しい!子どもにとってこんなマイナスイメージになっていませんか?誰だって、大事なモノを失いそうになると辛い気分になりますよね。ゴミ箱を片手に「捨てるよ!」と脅してしまうと、整理=失う恐怖や喪失感が植え付けられてしまいます。
本来、整理とは「分ける」こと。結果的に「捨てる」ことになる場合もありますが、すぐに直結するとは限りません。まずは使用頻度で分けて「よく使うモノ」は残し「あまり使わないモノ」を別の場所に格納する。これだけでグッと使いやすくなるんです。
あまり使わないけれど、本人がすぐに判断できない場合は「迷い中」でまとめておくことをオススメします。見分けをした日付も入れておけば、次の見分けの時に「あの時、迷っていたのね。でも結局使わなかったね」と手放す判断がしやすくなるんです。
ちなみに、この「迷い中」は大人にもオススメ。私は自分のクローゼットの引き出しの中に迷い中エリアを作って、手放すかどうか即決できない服を入れています。こうして分けておくだけで、次の衣替えの時に判断しやすくなるのです。参考にしてください。
色や文字を使ってわかりやすく
整理をすることに対して後ろ向きだったり、分けるという概念がイメージしにくかったり、モノの行く末や境界線がイメージしにくい子どもの場合、視覚的に情報が伝わるように色や文字を使うこともオススメです。
文房具やアクセサリーなどのように小さなモノであれば色画用紙を、おもちゃの場合は大判の布やレジャーシートなどを用意。子どもに好きな色を選んでもらい、使っているor使っていない、よく使うorたまに使う、モノを乗せていきます。
たったこれだけ?と侮るなかれ。日常の遊びと異なり、整理すること自体をイベント化することによってサクサク進む場合があるんです。
文字が読めるようになったら、項目をふせんやメモ帳で書くと、よりわかりやすくなります。
親も一緒に「整理タイム」
整理をする時に、意外と気をつけなくてはいけないことが「ぼく&わたしばかり…」という不公平感。自分のことを棚に上げてしまい、子どもや夫に「整理して!」と伝えるばかりではNG。家は、家族みんなで整えるもの。親自身も、自分で判断できるアイテムを選んで体験してみましょう。
先日わが家で実践したことは、親子で書類整理をすること。小2の娘は学校で使ったプリント整理を。私は家の中の郵便物をはじめ、ファイルボックスにおさまりきらなくなった書類を整理しました。
私自身、書類整理は好きではありません。やらずに済むのであれば、やりたくない人間です。でも子どもと一緒にやることで「あとちょっとだから頑張ろう!」と共感して励ましあったり、お互い「こんなに整理できた!」と成果を見せ合ったり。たった30分でしたが、仲間がいると作業がはかどり、家じゅうの書類がスッキリすることを実感しました。
今度は、それぞれの服をテーマに整理してやってみたいと思います。皆さんも、ぜひお試しください。子どもにサクサク整理するお手本を見せたり、気持ちに寄り添ったり。親子ともに新たな発見があるかもしれません。
いかがでしたか?
「子どもが取り組みやすい整理のコツ」でした。いきなり完璧に整理できる子どもはいません。今日できなくても、1週間後、1ヶ月後、少し経った頃にまた問いかけてみてくださいね。長い目で見守っていきましょう。みなさんの暮らしの中にも取り入れてみてくださいね!