忘れ物をしがちな子ども…でも、ガミガミ言いたくない!
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
7歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは、「小学生の忘れ物を減らすコツ」です。
「自分の準備は自分で!と思っていても、子どもが毎日のように忘れ物をします。アレ持った?コレ持った?なんで忘れたの?とガミガミ言ってしまうんです…。」
小学生ママからそんなお悩みがたくさん寄せられています。わが家の小学2年生の長女の例をもとに、忘れ物を減らすコツをご紹介します。すぐに取り入れられるワザなので、ぜひチェックしてみてくださいね!
ひとつにまとめる
こちらは、わが家の小学2年生の月曜日の朝の持ち物です。体操服の巾着袋、上履きが入った袋、そして学校の図書館で借りた本。
整理収納の大原則ですが、持ち物の数が多ければ多いほど、そのひとつひとつについて「気を配る」必要があります。家の中の物も全く同じで、物の量は、やるべきこと(タスク)の量と一緒です。登下校の一時的なことではありますが、バラバラに持ってしまうと「アレは?コレは?」と注意散漫になりがち。ひとつにまとめて「気を配る」ことを減らしていきましょう。
また、バラバラに持っていると何かの拍子にどこかに置き忘れてしまうリスクが高まりますし、通学時の安全面から考えても荷物はひとつにまとめておくとベター。
また、「自分のものだ!」と一目でわかるように、袋の色柄を揃えておくこともポイントです。「同じものだと集めやすい」という習性を活用すると、自分の荷物を忘れずにまとめやすくなるのでオススメですよ!
サッと「取り出しにくく」する
サッと「取り出せるようにする」ことは整理収納の鉄則ですが、子どもの忘れ物を防ぐためには、逆に「取り出しにくくする」ことも有効です。
例えば、画像のフックは無印良品の「横ブレしにくいダブルフック」という上下にフックがついている商品です。上下にモノが重なると「下のモノが取り出しにくいのでは?」と思われるかもしれませんが、その特性をあえて使っています。
「取り出しにくい」ということは、必ず上のモノに触ったり、注意を払うことになります。そうすることで忘れ物を減らすことができるのです。
ちなみに、わが家は一番下にランドセルを配置しています。ランドセルに到達するまでに色々な持ち物を目にするので、自然と忘れにくくなりました。毎日の持ち物はもちろん、突発的な持ち物にも有効ですよ。
スルーしない収納場所を探す
身支度の際、ハンカチとティッシュの存在を忘れて登校していた長女。衣類収納の引き出しにハンカチセット(ハンカチ、ティッシュ、移動ポケットの3点)が揃っているのに、おかしいな…。
ある時ふと「靴下は、毎日忘れずに履いていくな…」と気がつきました。靴下は元々、衣類収納棚の一番下の引き出しに入れていたのですが、試しにハンカチセットの棚に移動してみました。移動距離はたったの数十センチです。しかし、たったこれだけでスルーせずにハンカチセットを持っていくようになったのです。
また、ポケットティッシュへの記名も忘れがちでしたが、この引き出しの棚の中に油性ペンを1本入れておくだけで、自分で記名して持っていくようになりました。「油性ペンどこ?」とも聞かれないし、私が記名する手間もなくなったのです。
私たち親は、ついつい「忘れ物をしてしまう子ども」を責めてガミガミ言ってしまいがち。しかし、忘れ物をしにくい」仕組みを提供できているかというと、必ずしもそうではない場合があります。「うちの子がスルーしない収納場所はどこだろう?」と行動を観察してみると、新たなアイデアが生まれるかもしれませんね。
自分で考えて、自分で書く
ここまでにご紹介したように、登校時(家→学校)の忘れ物については、家の中の収納場所、収納方法を工夫することができます。問題は下校時(学校→家)です。それぞれの置き場所から自力でピックアップする必要があるので、少しハードルが上がってしまいます。
わが家の小学2年生も幾度となく「持ち帰ることを忘れる」ことを繰り返し、その都度色々と試しましたが、一番効果があったことは「自分で考えて、自分で書く」ことでした。
私(親)が書いた忘れ物チェック表を見ても、どこか他人事のような感じがするようで、習慣として根付きませんでした。
どんな項目が必要で、どこにあると自分は忘れにくくて、どんな風に書くとピンとくるのか。「自分ごと」になってはじめて腑に落ちるお子さんもいると思うので、もしよろしければ問いかけたり、うまくサポートしてみてくださいね!
いかがでしたか?
「忘れ物を減らすコツ」のご紹介でした。子どもだけでなく、大人の忘れ物防止も同じ方法が使えますので、参考にしてみてくださいね!
記事監修
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。