乳児期に便利な、スグできる小ワザ
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
7歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは、「乳児期に便利な小ワザ5選」です。
わが家の一番下の子も気がつけば3歳。妊娠、出産、授乳、離乳食に奮闘した時期も、あっというまに過ぎてしまいました。
今回は、そんなわが家の3人の乳児育児を通して編み出し、特別な道具を使わずスグ実行できるワザをまとめました。これから出産に臨む方、今まさに乳児育児に奮闘中の方、ぜひ読んでみてくださいね!
産後は、一歩も動かない工夫を
産褥期はもちろん、産後はしばらく睡眠時間の確保が難しいですよね。特に、新生児期からしばらくは赤ちゃんのウンチもゆるくオムツ替えや着替えの頻度も多いです。ママの養生と体力の確保につとめるには、赤ちゃんと過ごす場所=「拠点」を決めたら、よく使うおむつやケア用品は、そこからなるべく一歩も動かず出し入れできるように置きましょう。
とはいえ、収納家具の移動は困難。このためだけに特別なグッズを買う必要はないので、余っている収納ボックスや大きめのトートバッグなどに移し替えてみましょう。
写真は、実際に第三子の産後のわが家を再現した様子です。リビングのソファの下に布団を敷いて「拠点」としていました。わが家はIKEAのトロファストという収納家具に子どもグッズを収納していますが、そもそもこれ自体が「拠点」から2メートルほどの位置にあります。
産後は、オムツを入れる引き出しだしを抜いて足元に置き、更に距離を縮めていました。オムツ替えのために立ち上がったり、屈む必要もなく、手を伸ばせばオムツ替えができるのですね。そして少しずつ体力がついてきたら引き出しを元の位置に戻しました。
「たったこれだけのこと?」と思われがちですが、収納の位置は本当に大事。心身ともにとても大きな影響を及ぼします。産後は特によく使うモノの配置を「1メートルでも1秒でも近くする」を心がけて、負荷を減らしてラクになる工夫をしてくださいね!
お尻ふきを1枚ずつ取り出す
お尻拭きをはじめとするウェットシートを使う時、2枚、3枚、4枚…長〜く出てしまうこと、ありますよね。勿体無いし、焦っているとイラッとしませんか?そんなプチストレスを簡単に解決できる方法があります。
ウェットシートの取り出し口についているシールをはがしたら、90度回転!取り出し口の幅を1~2cmぐらいあけ、タテに貼りなおします。取り出し口を狭くすることで、重なったまま出てこようとするシートの流れが途中で切れやすくなるので、1枚ずつ出やすくなるのです。
取り出し口の幅は、お手持ちのシートの種類、成分の違い、残りの枚数、乾燥具合によっても変わりますので、様子をみて調整してくださいね。
置き型ケースの中に入れる場合はもちろん、お出かけ用にも。市販のウェットシートのフタを貼り付ける前にシールをタテに貼り替えておくと1枚ずつ出やすくなります。
ただし、このワザが有効なのはシートが次々に出てくるように畳まれているタイプ(ポップアップ式)です。携帯用の小さなシートは1枚ずつ畳まれていることが多いので、タテに貼っても意味がないのでご注意ください。
実は、このワザを考案したのはうちの夫なんです。3児の父として、家の中でも外出先でも繰り返しオムツ替えをする中で自然と編み出していました。私一人がオムツ替えを担っていたら到底思いつかない方法なので、つくづく家事&育児シェアは大事だなと思いました。
個包装で、おむつ替えをスムーズに
外出先でのオムツ替え。手早く替えたいのにポリ袋がなかなか開けられず…。頻繁にアルコール消毒していると、指先の水分が足りなくなりがち。また、用意していたはずのポリ袋とオムツの枚数がなぜか合わず、アレ?困った!ということはありませんか?
そんな時、あらかじめ新品のオムツをポリ袋に入れておく「個包装」がオススメです。外出用のオムツポーチに補充する時点で必ずワンセットにしておくのです。こうしておくと、新しいオムツを出す時点でポリ袋が口を開けてスタンバイしているので、汚れたオムツをポイっと捨てやすく、ポリ袋とオムツの枚数も必ず合います。
実は、外出先でゆったり時間をかけてオムツ替えできることは、そうそうありません。バタバタしながら、でも赤ちゃんが動かないように気を配りながら、ということがほとんどです。片手&ワンアクションでスムーズにオムツ替えできるよう、あらかじめ工夫しておくと、イザという時に慌てません。
なお、オムツだけでなく着替え一式もポリ袋に入れてまとめておくのがオススメ。外出先で着替える状況を想像してもらうと…漏らした、吐いた、こぼした、汗かいた…など、ほとんど「濡れている」状況です。他の荷物を汚さないためにも、サッとポリ袋にまとめられると便利です。参考になれば嬉しいです。
食べこぼしが目立ちにくい濃い色の服
赤ちゃんや子どもの服選びをする時に、好きな色柄を選ぶ以外にも「汚れが目立ちにくい」という視点があると、洗濯にかける手間が減ってラクになります。
例えば、離乳食の時。遊び食べが激しくなり食事用のスタイをしても服が汚れてしまうことってありますよね。忙しい日々では、そこまで汚れ落としに手間をかけられないのが本音。そんな時に重宝しているのが濃い色のTシャツです。衣類収納の中にはいつも忍ばせています。
何年も乳児~幼児の食事を作ってみての経験ですが、落ちにくい汚れは人参、カレー、ミートソースに代表されるように、ほとんどが黄色~オレンジ色。
濃い色のTシャツの中でも黒、紺系のTシャツであれば最強ですが、赤やオレンジ系もオススメです。男の子でも女の子でも、1枚ぐらいはお手元にあるでしょうか。もしあれば、食事の前に着替えておきます。ただし、無理強いは禁物です。
写真はわが家の第三子です。お食事スタイを嫌がってつけなくなり、激しく食べこぼしますが、このTシャツであれば気がラクになります。食後は付いている固形物をササっと水で流したら、洗濯機にポイ!で終了です。
食べこぼしがなくなるまでの移行期、キリキリせずにこんなちょっとした工夫で手間やストレスが減るといいですよね!
簡単ひとくちおにぎり
手づかみ食べをするようになったら活躍するのが、このひとくちおにぎりです。
ラップをしいて、中央部分にご飯をのせていきます。ラップは片側をちょっと長めにしておくのがポイント。
そしてパタンとたたみ、作りたいおにぎりの直径になるように細さを調整します。
余りのラップが短い側(この場合は右側)から、ひねってひとくちサイズにしていきます。ご飯の柔らかさやおにぎりの大きさは、月齢や好みに合わせて適宜調整してくださいね!
ラップに包んだ状態で携帯することも可能です。外出先でもひとつずつ食べることができます。
白ご飯のままだとベタベタして食べにくい、味に変化をつけたい場合はアレンジも簡単。青海苔や鰹節などを小さめの器に入れ、おにぎりを入れてコロコロと器を回せば、写真のようなカラフル&味付きおにぎりを作ることができます。きなこや錦糸卵などで色々とアレンジすることも可能です。
わが家は、成長とともにおにぎりのサイズも大きくなり、同じ方法を使って小学生のお弁当に入れるタワラ型のおにぎりも作っています。一気に大量につくる場合にもオススメです。
いかがでしたか?
「乳児期に便利な小ワザ5選」でした。ご紹介したひとつひとつのワザは些細なものですが、乳児育児に奮闘する皆様の心と身体が少しでもラクになればと思い、ご紹介させていただきました。ぜひ試してみてくださいね!
記事監修
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。