整理収納アドバイザー・水谷妙子です。今回は、私の初の著書「水谷妙子の片づく家 余計なことは 何ひとつしていません。」をご紹介いたします。「お片づけ、苦手だな…」という方や、SNSや雑誌を見て「これは無理だ…」と思っている方に、肩肘はらずに取り組める、ハードル低めの情報をお届けします。
「水谷妙子の片づく家」とは?
毎日忙しい子育て世代にとって、家の中を完璧に整えることはなかなか難しいことかもしれません。でも、ほんの少しでもコツを取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
元無印良品の商品開発担当者で、3児の母、そして現在は整理収納アドバイザーとして活動している私が、仕事や育児を通して得た整理収納の心得や、「見える・わかる・できる収納」を実践しているわが家の様子をご紹介しています。
今回は、本の中から一部抜粋し、子どもの衣類収納を題材に「見える・わかる・できる収納」をご紹介します。赤ちゃんから小学校低学年まで、幅広く取り入れられるポイントですので、ぜひチェックしてみてくださいね!
家族みんなが便利な場所に設置
わが家の子どもは、7歳の長女、5歳の長男、3歳の次男の3人。子ども達の衣類は、LDKのすぐ隣の子ども部屋の入口に棚を並べています。子ども達は朝や入浴後の着替えがしやすく、大人も乾いた洗濯物を戻すのもスムーズです。
収納家具は、IKEAのトロファストをひとりひと棚を並べて収納しています。長女が新生児の頃からずっと使っていて、小学2年生の今でも愛用しています。
棚には、服やハンカチ、ケア用品をまとめて、1カ所で身支度が整うように。引き出しは子どもでも扱いやすいよう、小ぶりなものを選んでいます。浅くて服が重ならず、全種類が一目瞭然です。
マイカラーだから迷わない
子どもにとってラベルは「見るもの」。年齢によって、その子の特性によって、文字の読み書きの程度は様々ですよね。わが家も3人それぞれ異なります。
色は3人それぞれで変え、ひと目で自分のものだとわかるようにしています。わが家では「マイカラー」と呼び、長女はオレンジ、長男は緑、次男は青と決めて家族みんなで共有。この収納家具以外にも、識別のために様々なアイテムで使っています。
種類の多い衣類は形で覚えるため、文字より絵を大きめに描いています。
握りやすいから自分で出せる
子ども衣類の収納家具、IKEAのトロファストの最大の特徴は、すき間から中身がちょっと見えること。正面のラベルと、上から現物がダブルで見えるので、子ども自身の認知スピードが上がります。
また、持ち手が引き出しの上についていると、自然に手をかけて引き出すだけなので、出し入れがラク。逆に、下についていると、逆手になって力が入りにくく、小さい子どもには難しいこともあります。
この数センチのすき間が使い勝手が良くなるポイント。親が準備することなく子どもが自分で着替えられるようになります。
「絶対」と一緒だと忘れない
7歳の長女が登校時に身につけるもの。ハンカチやティッシュだけを入れていましたが、ときどき忘れるので、毎日履く靴下をこちらへ。すると靴下を履くついでに持ち出すので、忘れないようになりました。
たったこれだけ(靴下を数十センチ移動させた)で忘れ物が解決するんだ!と拍子抜けしましたが、収納って、案外こういった単純なものなのかも…?一度決めた場所が全てではなく、何かエラーが起きたら原因を探り、柔軟に変えていこうと改めて思った出来事でした。
よく使うものは右まとめ
IKEAのトロファストの左手には造りつけ収納があります。長女は、保育園時代はズボンが中心でしたが、小学生になってからワンピースやスカートなどを日常的に着るように。ハンガーにかける衣類が増えたことで、洗濯後たたまなくていいので、親としても正直ラクになりました。
ハンガーにかける服は右側にまとめ、片側の扉を開ければ出し入れできるようにしています。「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、毎日のことなので、なるべくワンアクションで済ませたいですよね。朝に慌てない工夫のひとつです。
子どもの衣類管理の第一歩は、子ども自身で服を選び、着替えることから。もしもできない場合、やりにくそうな場合は、何がハードルなのか。どうやったらできるようになるのか、冷静に観察してみましょう。自分の目線ではなく、あくまで子どもの目線で「見える・わかる」を確認して、子どもが「できる収納」にすることがポイントです。
いかがでしたか?
「水谷妙子の片づく家」から、子どもの衣類収納をご紹介しました。この他にも、おもちゃ、キッチン、ストック収納等、わが家の実例をたくさんご紹介しています。おすすめの収納用品のページもご用意していますので、気になる方は本をチェックしてみてくださいね!この本で、皆さんの暮らしが少しでもラクになることを願っています。
(写真:林ひろし)
元無印良品の商品開発担当者の著者による、「余計なことをしないで」家族がラクに暮らせる心得や実際にやっていないことについてご紹介。また、子供3人家族5人暮らしの著者の家の、ダイニング、リビング、子供部屋、キッチン、洗面所などの収納術を細かく掲載。おすすめの収納用品や水谷家の収納の歴史も掲載。
記事監修
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。