子ども服がたくさん…どうしたらいい?
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
7歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは「子ども服を手放す方法」です。
子育て中の多くのご家庭から「子ども服、たくさんあってどうしたら?」というお悩みをお聞きします。
「洗濯物を戻す時、ぎゅうぎゅうに詰め込まないと入らない…」
「いただきもののお下がりが、ずっと紙袋に入ったまま…」
でも、量が多すぎると子ども自身が着たいものを選びにくかったり、出し入れしにくいなど、日々の暮らしに影響が出てしまいます。
今回は、子ども服の量が多すぎて困っている方向けに「整理する方法」をお伝えします。ぜひ参考にしてくださいね!
①一軍と二軍に分ける
服の量が多すぎて困っている場合、本当にその量が必要か、現実を見極めることが大切です。
まずは、子どもがよく着る服(週1回~2週に1回程度)を一軍に。あまり着ない服(月1回~シーズンに数回程度)を二軍として分けます。子ども自身が服選びをしていない年齢の場合は、親目線でOKです。
「そうは言っても…」となかなか分けることができない場合、暮らしながら自然に分けられる方法をご紹介!
服を洗濯し、乾いた後に定位置に戻しますが、その際に「右側に」とルールを決めます。(左側でもOK)これを毎日繰り返して数週間~1ヶ月ぐらい過ごしてみてみると、一軍が右側に集まり、二軍が自然と左側に集まります。ハンガーに吊るしている場合でも、引き出しに収納している場合でも有効です。
分けることができたら、それぞれ理由を明らかにしてみましょう。よく着る一軍の服は「好きだから」「合わせやすい」「気持ちいい」などの理由があるはずです。一方、あまり着ていない二軍の服には「あまり好きじゃない」「キツい」「チクチクする」など、何かしら理由があるはず。この理由が、服を整理するための大事なポイントになります。
そして、もうひとつ大切なこと。一軍の服を数えてみてください。「その枚数で特に困らなかった」という事実から、適正量がわかるはずです。子ども服は「着替えが足りなくなったら…」「あっても困らないだろう」とどんどん増えてしまいがち。
ちなみにわが家の一軍の適正量は、トップス、ボトムスともに一人10枚程度。5歳と3歳の息子はともに保育園に通っており、日中1回~2回着替えます。でも「服が足りない!」となったことはありませんし、これ以上は着こなすことはできないと思っています。
子どもの年齢や、生活環境、ご家庭の洗濯頻度によっても異なりますが、一旦、今までの習慣や思い込みを外して、客観的に事実を見ることも大切です。
②二軍から、更に戦力外を分ける
①で分けた二軍が、今の暮らしに必要ナシ!というわけではありません。
あまり着ないけれど「これは〇〇の時に着る」「これは体温調節用に必要」「これはもうちょっと大きくなってから」など、①で分けたことをキッカケに、持っている理由を言語化しやすくなっているはず。その過程で更に「これはもう、着ないかな?」と戦力外も分けやすくなるのです。
戦力外、と言っても、すぐに手放す判断ができない方もいらっしゃると思います。「まだ着れるし…」とか「気が変わるかも…」と迷いやすい方場合にオススメなのが「迷い中ボックス」に入れておく方法です。
「戦力外かな?」と思ったら、そのままハンガーバーや引き出しに戻すのではなく、迷い中ボックスに入れます。箱でなくても、紙袋や、使っていないバッグなどでもOK。置く場所は思い立った時にポイポイ分けられるように、なるべく服の収納の近くがよいでしょう。
ちなみに私は、自分の服のクローゼットの一番下の引き出しに「サヨナラ?」とラベリングした迷い中ボックスを設け、戦力外候補の服を入れています。しばらく溜めておき、衣替えの時期などに改めて見返すと「一軍&二軍になくて困らなかったんだから、もういらない」と決断しやすくなるのです。子どもだけでなく、大人にもオススメなので、取り入れてみてくださいね!
③最後に、着て納得する
子どもの場合は、サイズの問題も手放すための判断基準となります。「まだ着られる!」と思っていても、実際着てみたら「アレレ?」意見が変わる場合も…!
我が家の例をご紹介します。写真は、7歳の娘が2年前に購入したワンピース。左側が、購入当初の画像です。気に入ってよく着ていたのですが、身長が伸び、袖も丈も短くなり、さすがにもう厳しい…。しばらく二軍にありましたが、衣替えの見直しの際に戦力外になるかな?と思っていました。
ところが、娘は「下にスパッツを履けばまだ着られる!」と主張。試しに着てみると、胸の切り替え部分の縫い目が痛いようで、「もういいかな」と諦めがついたようです。
思い入れが深い服の場合は、このように着ている写真を撮ってから手放すということもオススメ。「大きくなったね」「たくさん着たね」という記録&記憶に残ります。
服を着て写真を撮るということは、実は特に大人にも有効。「若い頃の服、今の顔に合っていない…」とか「この丈は、もう厳しい…」など、客観的に見ることができるのです。判断に困った場合は試してみてくださいね。
④まだ着られる、ではなく、これから着たいかが大事
どうしても分けることができない方に考え方のヒントを。服の量で悩んでいる方は「まだ着られる」or「もう着られない」のボーダーラインが曖昧だったり、揺らぎやすいことが多いです。
自分にとっては「まだ着られる」ものだとしても、他人にとっては「もう着られない」ものかもしれない。
逆に、他人にとっては「まだ着られる」ものだとしても、自分にとっては「もう着られない」という場合も。
そもそも服は、よほどの状態にならない限り「まだ着られる」ものです。ついたシミが取れなくても、服としての機能には影響はないですし、破れたり、穴が空いたら補修すればいい。極端な例で言うと、サイズアウトした服でもリメイクすれば生まれ変わります。何らかの手間をかけたり、工夫したり、お金をかければ「まだ着られる」状態になるんです。
でも、そこまでできるかどうか。そこまでしたいかどうか。
大事なことは「これから着たい」ものを、他人軸ではなく「自分軸」で決めるということ。そうすると、おのずと手放す戦力外も決まってくると思います。赤ちゃんのうちは親の判断で良いと思いますが、子ども自身の意見がある場合は耳を傾けてくださいね。
⑤手放す方法、いろいろ
戦力外が決まったら、次は「どう手放すか」です。捨てる、売る、寄付する、あげる…さまざまな方法があります。
捨てる:一番スピーディーに家の中からなくすことができる方法です。それぞれの自治体の分別ルールを守って、決められた場所の収集指定日に出します。地域によって、資源リサイクルになるか、ゴミとして処分されるか異なるようなので、ご自身の地域の方法をよくチェックしてみてください。
売る:フリマアプリ、オークション、リサイクルショップでの買取などさまざまですが、服をお金に替えられる方法です。ただし「売れるまで、家にある」という収納場所のこと、必ずしも希望価格で売れるわけではないこと、そして出品までに時間的な手間がかかるなど、いくつか注意点も。特に最近はフリマアプリがよく使われていますが、洗濯、シミ&汚れチェック、撮影、入力、やりとり、梱包、発送など以外に手間がかかります。「いつか出品しよう」の紙袋が放置されているケースもよく目にします。今の自分に、できる余裕があるか確認が必要ですね。
寄付する:服を手放すことが、何らかの社会貢献につながる方法です。海外にそのまま物資として送る、ワクチンなど別のものになるなど、各団体によって異なります。店舗や事務所に直接持ち込むことができる場合もありますが、寄付する側が配送料や手数料などを支払う場合もあります。また、ものによっては寄付できない場合も。それぞれの方法をよくチェックする必要があります。
あげる:子ども用品で慣例的に行われる「お下がりとして人にあげる」という方法です。ただし、服の量が多くて困った経験がある方ほど、あげる前に立ち止まって考えていただきたいです。服を見分ける作業は、大変な作業ですよね。今ある服だけでなく、その上、人からもらった服まで整理する。相手がその労力をかけられるかどうか、ご自身の経験をふまえ冷静に判断してくださいね。
服を手放すことに対して、強い罪悪感がある方もいらっしゃるかと思います。私もその一人です。
私自身、かつてたくさんの服を手放した時は、スッキリ感と同時に、心にチクチクと痛みを覚えました。その経験を踏まえ、これから手に入れるものは少数精鋭でフル回転にしよう。そしていつか手放す時は「たくさん着たな~!」と思えるようにしよう。そう決めて実行するようになってから、苦しい思いをせず、服とうまく付き合えています。
ちなみに「思い出の品」は、無理に手放す必要はありません。思い出ボックスに入れるなど、別の場所移動して、普段の服と混ざらないようにしておくといいですよ!
いかがでしたか?
「子ども服を整理する方法」でした。服は、幼少期から大人になるまで一生つきあっていくもの。子どもだけでなく、大人のクローゼットの整理にも応用できる情報ですので、少しずつ取り入れていただけると嬉しいです。