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ラベリングって、なんだか難しそう…?
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
7歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは「簡単にラベリングできる5つのコツ」です。
ラベリングとは、ラベルをつけること。整理収納の仕上げとして、なくてはならないものです。
「なんだか難しそう?」「この方法で合っている?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、コツさえ覚えてしまえばとっても簡単!今回は、子どもとの暮らしに役立つラベリングの基本の考え方と、簡単に暮らしの中に取り入れる方法を具体的にお伝えします。覚えておくと便利なので、ぜひ参考にしてくださいね!
①いきなりラベルをつけない
はじめに一番大切なことをお伝えします。「いきなりラベルをつけることはNG」ということです。整理ができていないモノに対してラベルをつけてしまうことはとっても危険。使いにくく、家族みんなが疲れてしまう原因になりかねません。ラベリングの前に行うことを、順を追って説明していきますね。
まずはモノの整理(分ける)からスタート。そこで不要なモノがあれば取り除きます。次に、分類(仲間を集める)です。特に子どもの場合は、分類は少なければ少ない方がラクです。持っている収納用品の数=分類ではないので注意!特にお片づけが苦手な方は、少ない分類で済めば済むほどラクになると思ってください。
そしてようやく収納(モノのお家を決める)です。モノに合わせてピッタリの収納用品に収めていきます。そして最後の仕上げで「あなたのお家はココですよ」と表札をつける作業。これがラベリングになります。
ラベルは、いざ収納用品につけると想像以上に拘束力をもちます。適切なモノの量や分類の数を考えずにラベルを先につけてしまうと、変えにくい→多少使いにくくてもガマンして使う、ということになりかねません。これでは本末転倒です。ラベルをつけるためには、整理、収納を行なってから。順番は守るようにしてくださいね!
②使う人がわかる情報にする
①で、ラベルは「表札」のようなものとお伝えしました。実際の住宅の表札でも、郵便や宅配の方や客人など、訪ねて来る方がわからないと意味がないですよね。収納のラベルは、使う人全員の共通言語でないと役目を果たしません。このラベルは「誰が、何をするための情報なのか」を考えてラベルの表記を考えます。特に子どもの場合、人によって識字能力に差があるので、十分配慮する必要があります。
例えばわが家の場合、7歳の長女はひらがな、カタカナの読み書きはでき、漢字も少しずつ習得中。5歳の長男は、ひらがなは読めますが、カタカナは少しあやふや。3歳の次男は、文字の存在は理解していますが、読めるかというと微妙なところ。このような状況の我が家では、子ども達が全員使うおもちゃ、文房具、衣類のラベルには、ひらがなとイラストを必ず入れるようにしています。みんながわかるようにするために「T-SHIRTS」ではなく「Tシャツ」でもなく「てぃーしゃつ」としています。
ラベルの文言も、一般名称にこだわらず家族がわかればOK。Tシャツのイラストでも、「はんそで」や「〇〇(個人名)」という場合もあるでしょう。それぞれのご家庭に合わせた表現に。
また、ラベルの大きさも大事です。目を凝らして一生懸命探さないとわからないほど小さいものはNG。使う人は誰なのか。その人が分かる情報はどんなものか。考えてみてくださいね!
③すぐに替えられるように手書きにする
情報が決まったら、実際にラベルを作ってみましょう。私がオススメするのは手書きラベルです。「ラベルライターで作りたい」「市販のアイコン付きラベルにしたい」という方もいらっしゃると思うのですが、ちょっと待って!まずは手書きで様子をみて、しばらくして暮らしに支障が出なかったらお好きな見た目に整えることをオススメします。
①でも触れましたが、ラベルは想像以上に人の行動を左右します。その中でもとりわけ「印刷された活字の情報」は強い効力を発揮します。その情報がどういったものであれ「訂正しにくい」という傾向があります。ラベルの場合、これが悪い方向に働く場合も。ラベルは暮らしに合わせて変えていく必要があるのですが、活字になった瞬間に気軽に変えにくくなってしまうんです。
例えば、わが家はこの春、新型コロナウィルスの影響で、自宅でこもって遊ぶことが増えました。電車が大好きな5歳長男と3歳次男のために、拡張できるレールを追加購入。これまで「のりもの」に集約していたレール収納を独立させて「れーる」ボックスを作りました。
わが家のボックスは布製なので、養生テープに油性ペンで書いて貼るだけ。思い立ったらすぐに替えられることが手書きのメリットです。あまり深く考えずにササっと書いて貼ることで、子ども達が遊びやすく、お片づけしやすくなりました。
ラベルの目的は、見た目を整えることではありません。モノを使いやすくすることです。まずは手書きでラベルの本質を感じていただけるとうれしいです。
④ラベルをつける場所は一箇所じゃなくてもいい
ここまで、ラベルの基本的な方法をお伝えしました。ここからは、覚えておくと便利な小ワザをご紹介します。まずは、ラベルの枚数について。収納用品に複数枚つけると、より効果を発揮する場合があります。
例えば、わが家の子ども用の文房具収納。事務用の書類を収納するレタートレーを棚がわりに使っています。色鉛筆やペンなどは、販売時のケースは手放して、小分けのトレーに収納。お絵かきや工作の時はすぐ横にあるテーブルに持ってきて、使い終わったら棚に戻すという仕組みです。
それぞれのトレーには養生テープと油性ペンを使ってラベルを手書きしているのですが、同じラベルを2枚用意して、トレーの短辺2箇所につけています。こうしておくと、正面がどちらでもOKなので、出し入れしやすく、そしてスムーズに片づけられるのです。
続いて、おもちゃ収納。ボックスを棚から出して遊ぶときに、どこに戻してよいかわからなくなることがあります。棚とボックスの両方に同じ内容を書いておけば、子どもが戻すときに「ココだ!」とわかりやすくなるのです。これは幼稚園や保育園でよく行われている収納ワザです。少人数でも多人数でも効果を発揮する小ワザ。ぜひ試してみてくださいね!
⑤自分でラベルをつけると、実行しやすくなる
子どもが文字が書けるようになったらぜひ試していただきたいのが、自分でラベルをつけるという経験です。③で触れた手書きラベルをオススメする理由がここでも発揮されます。
例えば、わが家の学用品棚。7歳の長女が小学校や学童で使うモノを管理する場所です。長女と一緒に整理、収納を行い、分類を決定。最後の仕上げのラベリングを任せることにしました。カラフルなマスキングテープを選ばせて、自分で分類を書いて貼ることで、整理収納が一気に「自分ごと」になるのです。
家の中のラベル作成を全て親がやってしまうと、整理収納がいつまで経っても親の仕事。子ども自身で試行錯誤するという経験ができません。普段の学用品棚だけではなく、長期休みの宿題ファイルなど折に触れて任せてみるとモチベーションがアップするかも?「僕が、私が決めた!」と自分ごと化しやすくなるので、お子さまの様子を見ながらやってみてくださいね!
いかがでしたか?
「簡単にラベリングできる5つのコツ」のご紹介でした。特別な道具がなくても今日からすぐできるラベリングのコツをご紹介しました。誰に対しての、どんな情報なのかを意識して、気軽に取り組んでみてくださいね!