休校中の子供たちに毎日3食を作るのは、なかなか大変ですよね。つい備蓄しやすい冷凍食品や加工食品に頼りがちですが、野菜に含まれるビタミンやミネラルなども人間には必要な栄養素。
生鮮食材の特徴を知り、正しい保存法をマスターすることで、外出自粛中も加工食品に頼らないバランスの良い献立作りができるようになります。せっかく買った食材を無駄なく使い切るためにも、基本の保存テクニックを抑えておきましょう!
葉物野菜/葉菜類
ほうれん草
ほうれん草などの葉物野菜は、購入後すぐにしおれてしまったという経験はありませんか? スーパーなどに陳列されている状態では、流通過程で水分不足になっている場合がほとんど。例えるなら、切り花に水を与えずに放置しているようなものなんです! 葉物野菜は、買ったらすぐに“水をあげる” これが、基本の保存法です。
水菜
生食で食べられる水菜は、洗ってカットし、冷蔵で保存する方法も。保存用のタッパーにキッチンペーパーを敷き、水けを拭いた水菜を並べるだけのラクラク保存法です。これは、飲食店でも活用している保存テクニックなので、覚えておくと便利です。半解凍で、即席おひたしも作れるので、いざという時のあと一品におすすめ♪
小松菜
葉物野菜の中でも小松菜は、カルシウムの含有量がトップクラス。何とほうれん草の約3倍もあるんです! β-カロテンも多く、200g摂れば一日の必要量を摂取できるといわれる優秀な緑黄色野菜です。アクがないのが特徴で「生」でも「茹でてから」でも、冷凍保存ができてしまうスグレモノです。
その他の葉物野菜
ほかにも葉物野菜の保存方法をまとめました。
ネギ類
ネギは薬味や炒め物など多用でき、常備しておくと便利です。詳しい保存法は、こちら!
根菜類
土の中で育つ野菜は、「根菜類」と呼ばれます。主に、大根・にんじん・ごぼうなどです。
特にごぼうは、アクの多い野菜のため、切ってすぐに黒っぽく変色をしてしまいます。実は、このアクの正体は、ポリフェノールの一種である“クロロゲン酸”の仕業。抗酸化力の高さで知られ体によいといわれるポリフェノールですが、変色は防ぎたい。そこで酢水にさらすわけです。酢には、食材の酸化を防ぐ効果があるのです! そのうえで、軽く茹でてから冷凍保存をするのが正解です。
茎菜類
アスパラやウドなど茎を食べる野菜は「茎菜類」になります。もともと、細い形状のため水分が抜けて硬くなりやすいのが難点。アスパラガスは、買ったらすぐに使ってほしい野菜の一つです。すぐに食べない時は冷凍庫へ。下ごしらえしてから冷凍保存しておけば、作り置きおかずにもなるので便利です。
花菜類
ブロッコリーやカリフラワーは、つぼみを食べる緑黄色野菜で「根菜類」に属します。特に、ビタミンA・C・Eが多く含まれているのが大きな特徴。これは、ビタミンACE(エース)と呼ばれ、単独で採るよりも3つ組み合わせた方が相乗効果を発揮する栄養素として知られています。保存方法が悪いとすぐに変色してしまうので注意が必要です。優れた栄養素を無駄にせず、長持ちさせるためには野菜が育った環境を作ってあげること!?
果菜類
きゅうりやカボチャ、トマトやナスは、「果菜類」と呼ばれる仲間。きゅうりは生食のイメージが強いですが、実は加熱して食べても美味しい野菜。水分が多いため、天日に干して乾燥させれば長期保存もできます。
きのこ類
冷凍保存向きの食材といえば、きのこです。自粛続きだと、お通じもスムーズではないとお悩みの方も増えているようなので、食物繊維の多いきのこ類のストックは救世主になるはず!
豆・豆腐類
豆腐
植物性タンパク質に優れた豆や豆腐類は、「畑の肉」とも呼ばれるほど栄養素も豊富です。コレステロール値を低下させることでも注目されている食材なので、肉の代替品として常備しておくと便利です。
納豆
納豆は日本を代表する発酵食品の代表的な存在。いま、改めて腸内環境を整える食材としても再注目されていますよね。正しい保存法も要チェック!
もやし
もやしは豆類を水につけて発芽させた発芽野菜の一種です。「栄養があまりないのでは?」と思われていますが、実は、食物繊維が多く栄養満点なヘルシーフードです。低価格なのも魅力です。
果物類
食物酵素がたっぷりの果物は、私たちに必要な栄養素です。果物の正しい食べ方はだ液と混ぜながら咀嚼すること。だ液には幸福ホルモンのオキシトシンを出す効果も。連日のニュースで閉塞感が高まる中、家族でほっこりした時間を過ごすのにもおすすめです。
生の新鮮な果物は生活習慣病の予防にも役立つといわれているので、甘いお菓子を食べるなら旬の果物をたっぷり食べたいですね。
あまり日持ちがしないため保存には不向きと思われがちな生鮮食品。正しく保存することで、意外に長く楽しむことができます。さらに下処理や調味をして冷凍保存すれば、時短調理もあっという間です♪
こまめにストックして、外出自粛のこの時期の野菜不足を解消しましょう。
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・発酵食スペシャリスト)